「遮光」
中村文則さんて若者です
若者の書いた小説です
野間文芸新人賞らしいが それが偉い賞なのかどーか私は知りません
主人公は虚言癖のある若者で 人格がよく乖離しがち
死んだ彼女の指をホルマリン浸けの瓶に入れて持ち歩き
虚言を吐くとゆー寸法です
10章にその虚言ばっかしゆー原因が書かれたあり
子供の時 両親に死なれて 育ての親の一人目の男が 次の育ての親に引き渡す前に
「乗り越えられないなら振りだけでもいい、なるべく快活に、元気に、まず気に入られなさい」
と エエことゆーた これが虚言と乖離のバックボーンか
トーンは暗いがフィクションなので そんなにズドーンとはきません
今時の若者の言語で カミユの異邦人系なんか
言語は若者っぽいが 言い回しとゆーか文体とゆーんですかが
そんな変わったな言い回し 新機軸な言い回しはありません
ごくごくオーソドックス
でも解説とかパブリシティで読む中村文則さんなる人物像は
非常に腰が低く 好感が持てます
文学的な目新しさはありませんが
あと「銃」と「「土の中の子供」は読んでおこうと思います
ダークネスで鉛を食い込んだ殺伐ハートを求めたい向きには
ノンフィクションの殺人者の手記よりは物足りない 食い足りないと思うやもしれません
指のくだりは 佐川一政さんの「霧の中」には足下にも及びませんが
最近 この手の読み物が少ないので こーゆーヤングの読み物で辛抱せんとアカンかと思います
遮光 (新潮文庫)クリエーター情報なし新潮社