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家の前で男性と親しげにじゃれ合っていた浅山克己被告(47)に死刑判決

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山形県と東京都で2010〜11年、交際していた男性2人の親3人を殺害したとして、殺人などの罪に問われた無職浅山克己被告(47)の裁判員裁判で、東京地裁(平木正洋裁判長)は11日、求刑通り死刑の判決を言い渡した。

判決によると、浅山被告は10年10月、山形市の山家やまか武義さん(当時71歳)宅に放火、山家さんと妻の和子さん(同69歳)を焼死させた。11年11月には、自分の妻(44)(懲役18年が確定)と共謀し、江東区の大塚達子みちこさん(同76歳)宅に侵入。大塚さんを閉じ込めた大きな容器に燃えた炭を入れ、一酸化炭素中毒死させた。

被告側は山形の事件について殺意を否定し、死刑の回避を主張。検察側は「元交際相手を支配するのに邪魔となる家族を殺害したもので、被告に更生の可能性はない」としていた。

(2013年6月11日15時06分 読売新聞)




浅山克己

東京都江東区で昨年11月、失火を装って女性が殺害された事件で、被害女性の長男へのストーカー事件で逮捕され放火・殺人容疑で再逮捕された男が動機として語ったのは、長男に寄せていた「特別な思い」だった。
同じ理由から一昨年、山形市で高齢夫婦が死亡した別の民家火災への関与も告白した男。事件の解明が進む中、一線を踏み越えることになった“特異”な背景が明らかになりつつある。

2011年11月24日の深夜。JR錦糸町駅にほど近い江東区毛利の共同住宅から激しい炎が上がっていた。12階建ての9階部分の1室が全焼。この部屋に住むパート、大塚達子さん=当時(76)=が病院に搬送されたが、間もなく死亡が確認された。

大塚さんに目立った外傷はなかった。ただ、現場には失火の可能性を否定する“痕跡”が見つかる。

警視庁捜査1課によると、室内の床から油の成分が検出された。複数の場所からほぼ同時に火の手が上がったとみられることも判明した。

室内に物色の跡はなかったが、玄関の鍵は開いたまま。大塚さんは和室から救助されたが、防犯カメラに記録された帰宅時の服装のまま、布団の中に横たわっていた点も不審だった。

大塚さんの遺体を詳しく調べたところ、火災が発生した時点で、すでに死亡に近い状態で、油をまいたり、火を放ったりできるような状況ではなかったことが明らかになる。

事件性が強まる一方で、ある捜査幹部は首をかしげていた。

「事件という確信はあるが…。どうしても合点がいかない点がある」

それは、大塚さんが死亡した経緯だった。現場と遺体の状況を精査すると、いくつかの疑問点が浮上した。

 火の手が上がり、人体に影響を及ぼすほどの一酸化炭素が室内に充満するには一定の時間を要するとされる。だが、鑑定の結果から、大塚さんは出火直後、すでに一酸化炭素中毒となり、身動きが取れない状態に陥っていた。

 大塚さんの遺体には暴行されたり、何者かと争ったりしたような跡は見当たらなかった。「何らかの方法で大塚さんを抵抗できない状態にして、一酸化炭素中毒にさせた」(捜査関係者)。しかし、遺体からは薬物も検出されず、謎が深まっていった。


一方で捜査線上には、ある男女が浮上する。火災の前後、現場周辺の防犯カメラに、不審な2人組が記録されていた。大塚さん周辺で「トラブル」が起きていたことも明らかになる。

 トラブルの相手とは、火災から約1カ月後に大塚さんの40代の長男へのストーカー事件で逮捕され、大塚さん殺害容疑で再逮捕されることになる浅山克己被告(46)=ストーカー規制法違反などの罪で起訴=と、妻の小夕里(さゆり)被告(42)=同=だった。

 昨年2月の名古屋市内。とある住宅街の一角にある一戸建ての民家で、大塚さんの長男と、克己被告は同居を始めた。小夕里被告も含めた3人暮らし。両被告の共通の知人によると、長男と克己被告が2階で、小夕里被告が1階でそれぞれ生活していたという。

 だが、間もなく、この同居生活は破綻する。暴力や暴言などに耐えかね、長男は別居を決意。この家を後にした。直後から、克己被告らの執拗なつきまといが始まることになる。


警視庁などによると、克己被告は繰り返し、長男に連絡。さらに、長男の居所を探ろうと、江東区の大塚さん宅周辺をうろつくようになる。克己被告は小夕里被告と手分けして“監視”を続けた。

 「なぁ、話をしようよ…」。克己被告は玄関の外からこう呼びかけ、面会を求めることもあった。付きまといは、大塚さん方で火災が発生する11月24日まで続いていたとされる。

 克己被告は「カネの面倒をみてきたので長男と会わせろ」と、言いがかりをつけていたという。


 こうしたトラブルが明らかになる中、警視庁は今年1月5日、大塚さんの長男へのストーカー規制法違反と、有印私文書偽造・同行使の疑いで克己、小夕里夫妻を逮捕する。

 警視庁によると、克己被告は長男につきまとうだけでなく、長男名義の委任状を偽造して、長男の住民票の写しを申請。転居先まで調べようとしていた。

 両被告は間もなく、大塚さんの殺害と放火についても認めた。取り調べの中で、事件の“トリック”も裏付けられていく。

 2人は火災当日の昨年11月24日、隣室の外壁を伝って9階のベランダから大塚さん宅に侵入。直後に帰宅した大塚さんを結束バンドで縛った。

 「大きなプラスチック容器に、大塚さんを閉じこめた」。克己被告らの供述によると、大塚さんを監禁した大型容器の中で炭をたき、一酸化炭素中毒死させた。その後、大塚さんを布団に寝かせ、室内に油をまいて火を放ち、失火を装った。


防犯カメラの映像から、大塚さんが帰宅したのは午後3時ごろ。火災が発生するまでの約8時間の間、克己被告らは、長男との面会を迫り、居所を教えるよう迫った疑いがある。

 克己被告は逮捕後の警視庁の調べに、こう“本心”をのぞかせている。「長男のことが忘れられなかった。長男と会わせてもらえず、恨んでいた」


その後の調べなどから、別の疑惑も浮上する。

 「山形で火を付けたことがある」

 捜査関係者によると、克己被告は大塚さん殺害事件の前後、大塚さんの長男にこう話し、復縁を迫っていたという。

 克己被告が取り調べでも関与を認めた「山形の放火」とは、平成22年10月、山形市下条町で無職、山家武義さん=当時(71)=と妻の和子さん=同(69)=が死亡した火災だった。当時は失火とみられていた。

 「闇に葬られなくてよかった。浅山(被告)のことを知り、欠けていたピースがはまったように感じた」。山家さんの次男(38)はこう話す。

 山家さんの40代の長男もまた、名古屋市で克己被告と同居し、別居後に付きまとわれる被害に遭っていた。克己被告の供述が事実なら、交際していた男性と別れた恨みから、3人を死に追いやったことになる。

近所の住民や関係者によると、克己、小夕里の両被告が結婚したのは10年ほど前。かつて小夕里被告が祖母と一緒に住んでいた2階建ての民家で生活するようになった。

 木造2階建ての古い一戸建ての駐車場には、真っ赤な高級外車。克己被告は全身の「タトゥー」を見せつけるかのように、上半身裸で車の掃除をしていたという。

 「克己被告はとにかく短気。交通トラブルから、車から降りて相手の車をけり、運転席のドアを開けて怒鳴っていた。そんな光景を数回みた」。近所の住民はこう声をひそめる。

 一方、小夕里被告は幼少から「頭のいい子」と評判だった。かつては外車販売会社に勤務。現在も別の会社に勤め、朝早くから出勤していたという。

 だが、2人の暮らしぶりには“違和感”が付きまとっていた。「克己被告が家の前で、男性と親しげにじゃれ合っていた」。別の住民はこう振り返る。克己被告にはこわもてとは別の「夜の顔」もあった。

 別の関係者は「克己被告は繁華街では知れた顔。夜な夜な街に繰り出して、男の子と飲み歩いていた。酔って暴れて、店とトラブルになることも多かった」と振り返る。

 克己被告がかつて同居していた大塚さんの長男、山家さんの長男と、それぞれ親しげに飲み歩く姿も目撃されていた。

 だが、いずれの交際も破局した。「克己被告は、かなり独占欲が強い。相手の男性は、耐えきれなかったのではないか」。別の関係者はこう話した。克己被告は山形市の山家さん方に押しかけ、長男を名古屋に連れ戻していたことも分かっている。

 克己被告は、大塚さんが死亡した6日後の葬儀の会場にまで現れていた。そして、長男に付きまとい、繰り返し、こう語りかけていたという。

 「なぁ、話をしようよ…」

 警視庁と山形県警は連携し、2つの放火・殺人事件の全容解明を進めている


(2012.1.29産経ニュース)










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