マレーシア機撃墜 親露派がフライトレコーダー回収 “証拠隠滅”の恐れ
ウクライナ東部で17日に発生したマレーシア航空の旅客機ボーイング777の墜落に関し、
バイデン米副大統領は「事故ではなく撃墜された」と述べた。
親露派、ウクライナ政府ともに関与を否定しているが、
ロイター通信は、親露派がミサイルを発射したと強く疑っているとの米当局者の話を伝えた。
米政府は、専門家チームを派遣し、ウクライナ政府とともに事故調査を進める方針を表明した。
国連安全保障理事会は18日午前(日本時間同日夜)、緊急会合を開催して対応を協議する。
オーストラリアのアボット首相は18日、
旅客機は「ロシアが支援する(ウクライナの)反政府勢力」により撃墜されたとの見方を示した。
墜落したアムステルダム発クアラルンプール行きのマレーシア航空の旅客機は高度約1万メートル上空を飛行中、
レーダーから姿を消した。インタファクス通信によると、旅客機のフライトレコーダーは親露派勢力が回収したという。
オバマ米大統領は、ウクライナのポロシェンコ大統領と電話で協議し、
全ての残骸を調査のためウクライナ領内に留め置くよう求めた。
親露派武装勢力やロシアによる「証拠隠滅」を警戒しているとみられるが、原因究明が難航する可能性もある。
一方、ウクライナの治安当局高官は親露派戦闘員とみられる人物が「飛行機を撃墜した」と打ち明ける電話の傍受内容を公表した。
産経新聞 7月18日(金)
Oleksandr Borodai
ドネツク人民共和国
マレーシア機、宇親露派が軍用機と誤認して撃墜か ツイート削除
(AFP=時事)
ウクライナ東部で17日にマレーシア航空(Malaysia Airlines)機が墜落したと発表される前に、
同国からの分離独立を求めている親露派がウクライナ軍の輸送機を撃墜したというコメントを交流サイト(SNS)に投稿したが、
後になってそのほとんどを削除していたことが分かった。
親露派は17日午後、
ウクライナ軍との戦闘が続く東部の工業地帯上空を飛行中のウクライナ軍機少なくとも1機を撃墜したとの最初の一報を投稿した。
一方的に独立を宣言している「ドネツク人民共和国(Donetsk People's Republic)」の
自称防衛相イーゴリ・ストレルコフ(Igor Strelkov)氏は、ロシアの交流サイト最大手「フコンタクチェ(Vkontakte)」 の自身のページに、「たった今、トレーズ(Torez、ドネツク州の都市)近郊でアントノフ26(An-26)型機を撃墜した」と書き込んでいた。
ストレルコフ氏はさらに「これが『鳥が落ちた』ことを証明する動画だ」と書き込んだ。
同氏のページには、マレーシア航空機についてウクライナのメディアが報道したものと完全に一致する情報へのリンクが掲載された。
この書き込みは直後に削除されたが、ウクライナ東部の同国軍司令部はこの投稿が表示されたディスプレーの画像を保存しており
英文の報道機関向け発表に添えて公開した。
ストレルコフ氏のものとされる書き込みでは、同機の撃墜に使用されたミサイルの詳細は明らかにされていない。
しかしドネツク人民共和国は、その数時間前にマイクロブログのツイッター(Twitter)の公式アカウントから次のように投稿し、
墜落したマレーシア航空機が飛行していた高度1万メートルまで到達可能なロシア製ミサイルを
親露派が手に入れていたことを明らかにしていた。
「@dnrpress:DNRは(ウクライナの)地対空ミサイルA1402連隊から自走式ブーク(Buk)地対空ミサイルを奪った」
この投稿も後に削除された。
ロシアの国営メディアはこれらの書き込みについては言及しておらず、
ウクライナ空軍がマレーシア航空機を撃墜したという親露派指導者の発言を伝えている。
その後、
ウクライナ政府を強く支持している野党系ニュースサイト「ウクライナ・プラウダ(Ukrainska Pravda、ウクライナの真実)」は、
撃墜後に親露派のメンバーとロシアの工作員が行った通信を傍受して録音したとされる音声を公開した。
その中でベース(悪霊)と名乗る親露派メンバーがロシア軍情報機関将校とされる人物に対し、
「たった今、飛行機を撃ち落とした」と話していた。
また別の録音では、戦闘員らしき人物が飛行機の残骸が残る墜落現場から、
「100パーセント間違いなくこれは民間機だ」と報告している。
この戦闘員は、乗客がたくさん乗っていたかどうかと質問されると、ロシア語で悪態をついたという
Igor Girkin: Commander of Donetsk People’s Army,
Igor Strelkov, Says Group Shot Down Malaysia Airlines MH17 (+Photos)