<熊谷4人殺害か>13日、聴取中に逃走 ペルー人の男
埼玉県熊谷市の閑静な住宅街で16日、4人が殺害された可能性のある事件が起きた。「外国人が意味の分からないことを言っている」。埼玉県警によると、13日午後1時半ごろ、熊谷市の消防分署から籠原交番に電話で連絡があった。警察官が外国人を熊谷署に連れてきて事情を聴くと「母国のペルーに帰りたい」「姉が川崎にいる」と話した。
この男が、16日に身柄を確保されたペルー人の男だった。
その後、男が「たばこを吸いたい」と言ったため、午後3時半ごろ、署の正面玄関のすぐ脇にある喫煙コーナーに、警察官1人とともに向かわせた。その警察官が背中を見せた瞬間、男は署の前の国道17号に飛び出し、熊谷駅方面に走り去り、そのまま姿をくらませたという。
同署は周辺を捜索し、川崎市にいる男の姉に連絡して「そちらに行った場合は連絡してください」と姉に伝えた。
午後5時9分、熊谷市石原の住宅の物置小屋に男が侵入していると住民から110番があった。物置から音がして開けたら外国人がいたという。午後5時34分ごろ、別の民家の敷地に男が侵入したと住民から110番があった。
翌14日、田崎稔さん夫妻が自宅で倒れているのが見つかり、その後に死亡が確認された。県警は15日、物置小屋への住居侵入容疑でペルー人の男の逮捕状を取った。その翌日の16日には、さらに4人が殺害された可能性のある事件が起きた。
県警は13日の対応を含めた今回の事態について「必要な捜査を行っていたと理解している」とコメントしている。
(毎日新聞 9月17日)