小番一騎 南部希実 和田正
局部切断したボクサーの妻が、被害弁護士と6度性交 セーラー服、ブルマのコスプレも
弁護士の男性(42)の局部を切断したなどとして、傷害と銃刀法違反の罪に問われた元プロボクサーで元慶大法科大学院生・小番一騎(こつがい・いっき)被告(25)の第2回公判が26日、東京地裁(安東章裁判官)で開かれた。前回、弁護側が「詳しすぎる」として中止となった検察側の冒頭陳述が述べられ、20代の被告の妻と被害者の赤裸々なダブル不倫関係が明らかとなった。また、小番被告は台本を作成し犯行に及んだことも明らかになった。
小番被告は、黒スーツにノーネクタイ姿、前回伸び気味だった髪をきれいに刈り込んだ丸刈りで法廷に現れた。胸を張り、何か覚悟を決めたような雰囲気を漂わせた。無表情で検察側を見据え、冒頭陳述を聞いた。
検察側によると、昨年5月に被害者の男性の弁護士事務所で働き始めた被告の妻(以下、妻)は、半年余りで社内不倫に落ちた。妻子ある男性とのW不倫。昨年末に初めて肉体関係を持った妻は、嫌がるそぶりは見せなかった。
今年に入ると、2人の関係は一気にはじけた。配偶者には見せないであろうコスプレを堪能。場所は決まってカラオケ店。学園もののコスチュームを好み、セーラー服やブルマをはき、楽しそうに歌い、そして体を重ねた。
約7か月の間に少なくとも6回の「性交」を重ねたが、許されざる関係は長くは続かなかった。7月、2人で高尾山に行ったのを境に、徐々に妻が男性を避けるように。不倫を清算し“元サヤ”に戻ろうとしたが男性に引き留められた。
困った妻は8月に入ると、夫の小番被告に「セクハラ被害を受けた」と相談し、(男性に)2回肉体関係を強要されたなどと“ウソ”の告白。妻のW不倫に気付いていなかった被告は激高した。当時、妻が友人に「論点をずらして話したら、(被告と)仲直り出来たよ(笑)」などとメールしていたことを被告が知る由もなかった。
妻の訴えを真に受けた小番被告の怒りは、もはや抑えようがなかった。犯行前日に「台本」というタイトルで男性に向けた抗議文を作成。「大変なことをしてくれた。強姦(ごうかん)行為、ホテルに無理やり連れ込んだ責任をどう取るのか」「絶対、許さねぇぞ」などと記した。
同月13日朝、小番被告は妻を連れ、犯行に及んだ。被告は「台本」のコピーを手に「謝罪しろ」と詰め寄った。男性が「無理やりしてない」と答えると、被告は突然殴打し失神させ、局部を切断した。男性が意識を取り戻し、真っ赤になった股間を見て「ここどこ? なんで血出ているの」と錯乱状態で叫ぶと、被告は「強姦したからです」と言い放ち、笑い声をあげた。妻は夫の凶行をただ、見守っていたという。
検察側は「妻が弁護士から無理やり性的関係を迫られたと、被告が思い込んだことが犯行のきっかけだった」と主張した。次回公判は、12月22日に行われる。
◆局部切断事件 8月13日午前7時40分ごろ、東京・港区虎ノ門2丁目の法律事務所で、小番被告が妻と押しかけ、出勤していた弁護士の男性の顔を左右のゲンコツで数回殴り、東京・渋谷区の量販店で購入した刃渡り6センチの枝切りばさみで局部を切断し、近くのトイレに流した。男性の陰茎は1センチしか残っていなかった。病院搬送され緊急手術、15日に退院したが小便器での排尿や性交はできず、現在も激痛に苦しみ、生殖機能は失われたとされる。弁護側によると、1年間の加療期間を要するという。
(スポーツ報知 2015年11月27日)
初公判で弁護側が「詳細すぎて、不相当だ」と不服を述べ、検察側の冒頭陳述の読み上げが中止となる異例のスタートとなった。ただでさえ残忍な手口の犯行に注目が集まったが、「被告の妻と被害者の男性のメールや手紙のやりとりの内容が詳しすぎる」などとした弁護側の主張が、「2人は不倫関係にあったのか」などという世間の新たな関心を呼ぶ形に。実際、この日の傍聴券21枚に対し、東京地裁前に並んだ人数は初公判より多い250人超だった。
冒頭陳述は簡略化されたというが、明かされた小番被告の妻と被害男性のダブル不倫の内容は、想像以上に赤裸々なものだった。
昨年末に始まった肉体関係は、すぐにエスカレート。カラオケでセーラー服に着替えるなどという「コスプレ」に発展したというのだ。あの東日本大震災から4年となった「3・11」も仲良くホテルへ。5月には本妻への名目で購入した4万円のネックレスを不倫相手に贈ったという被害男性。被告の妻に入れあげた様子が淡々と述べられていく。極めつけは、7月の高尾山アベック登山。2人でリフトで山頂へ。ビールを飲んで気分が高揚したのか、被告の妻はカラオケで再び体操服とブルマに着替え、禁断の関係はピークを迎えた。
この日、女性検察官が口にした「性交」という言葉は6回。小番被告が知らなかったであろう、妻のもう一つの“顔”。検察側をじっと見据えた被告の頬が少し赤らんだようにも見えた。
当然、不倫はあってはならない。しかし、被害男性が負った代償は大きすぎた感もある。「(被害男性に)無理やり性行為を強いられた」などという妻のウソを小番被告が信じ込み逆上し、犯行に及んだ。被害男性は、突然殴られ気を失い、弁解もできないまま局部を切断された。すぐに緊急手術を施し、カテーテルという管を使い排尿したが、最初はどす黒い尿が出た。男性の陰茎は1センチとなり、大便器でしか用を足せず、生殖機能は失われたという。
一方で、小番被告もある意味で被害者と言える。妻にウソをつかれることなく順調であれば、来年、司法試験を受けていた可能性が高い。公判を傍聴した慶大法科大学院の元クラスメートは、「(小番被告は)とても静かな人で、何かに対し怒ったところなど見たことはない。『弁護士になるのが夢』と話していた。勉強熱心で、来年試験を受けていれば、合格していたと思う」と残念がっていた。前途ある若者の夢は、一瞬で砕け散った。
(スポーツ報知 11月30日)
弁護士の男性(42)の局部を切断したなどとして、傷害と銃刀法違反の罪に問われた元法科大学院生・小番一騎(こつがい・いっき)被告(25)の初公判が28日、東京地裁で開かれた。小番被告は起訴内容について「間違いありません」と認めたが、弁護側は検察側の冒頭陳述が不相当だと主張。安東章裁判官は「詳し過ぎて、事件との関連性は薄い」と認め、検察側の冒頭陳述が次回に持ち越される異例の展開となった。
小番被告は傍聴席を見渡すように入廷した。丸刈りが少し伸びたような頭部にふっくらした面持ち。以前、所属していたボクシングジムのホームページに掲載されていたスキンヘッドで鍛え抜かれた体のイメージとは別人だった。
冒頭、裁判官は「被害者の特定につながる事項は法廷で明かさないと決定している」とし、被害者の名前などを言わないように求めたが、それ以外、起訴状朗読後の罪状認否までは普通の公判と同じだった。「異変」が起きたのは、検察側が約10ページの冒頭陳述書を読み上げようとした時のことだ。
弁護側は「冒頭陳述には事件とは関係性の薄い、被害者と小番被告の妻とのメールなどのやり取りの内容が多く含まれており、読み上げには同意できない」と指摘。弁護側によると、冒頭陳述のうち約6ページがメールや手紙の内容に関する記述だという。このため開廷からわずか7分で一時休廷。3者が協議した。
事件の背景には、男性が勤務する法律事務所で働いていた被告の妻をめぐるトラブルがあったとみられている。再開後、検察側は「妻と被害者の関係が重要な争点になり、メールや手紙の具体的内容を立証する必要がある」と主張したが、裁判官は「詳し過ぎて、事件との関連性は薄い」と読み上げは認めなかった。結局、冒頭陳述は11月26日の次回公判に先送りされ、内容を簡略化することになった。
元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士は、「冒頭陳述は検察側が立証しようとすることを一方的に主張するもので、弁護側は一方的に反論すればいいだけ。読ませないというのは珍しい」と説明。「仮に」と前置きした上で「弁護側は、被告の妻と被害男性が深い関係にあり、妻に落ち度があったことが法廷で明かされると、被告の主張に不利が生ずると考えているのではないか」と指摘した。
起訴状によると、8月13日午前7時40分ごろ、東京都港区虎ノ門の法律事務所で男性の顔をげんこつで数回殴り、持っていたはさみで局部を切断し1年間の加療期間を要する大けがを負わせた。弁護側は、加療期間について争う姿勢を見せている。