「少年」谷崎潤一郎
1911年(明治44年)
「栄ちゃん、
もうこれから信ちゃんの云う事なんぞ聴かないで、
あたしの家来にならないか。
いやだと云えば彼処にある人形のように、
お前の体へ蛇を何匹でも巻き付かせるよ」
嵩張らず いつでもどこでも 谷崎潤一郎のぐちゅぐちゅした世界が取り出せるやう
kindle版の谷崎潤一郎も揃えていこうと
「刺青」があまりにもあっさりと手短に終わったので
なおさら この「少年」がグッと腹持ちがする
友達の姉ちゃんを みんなでいちびって苛めていたけど
今度は友達の姉ちゃんに蝋燭責めにされながらピアノ演奏を聴くとゆーナイスなお話
みんなが抱く子供の時の下世話な欲望が あのパーフェクトな文章で
かくも微に入り細に入り被虐欲望のヒダヒダまで見事に表現された傑作ですね
これが いつでもどこでも 取り出せるとゆーのが 文明の恩恵です
刺青・秘密クリエーター情報なし新潮社