オウム高橋被告、二審も無期=裁判員判決「誤りない」-地下鉄サリンなど・東京高裁
オウム真理教による地下鉄サリン事件で、散布役を送迎したとして殺人罪などに問われた元信者高橋克也被告(58)の控訴審判決が7日、東京高裁であった。栃木力裁判長は「殺意があったと認定した判断に誤りはない」と述べ、無期懲役とした一審東京地裁の裁判員裁判判決を支持し、弁護側控訴を棄却した。
一連のオウム事件で、最後の控訴審判決。弁護側は「まかれたものがサリンとは知らなかった」と改めて無罪を主張したが、栃木裁判長は「高い殺傷能力があると認識していた」と述べ、一審判決を追認した。
猛毒VX殺人・殺人未遂、公証役場事務長拉致、東京都庁爆発物の各事件についても弁護側の主張を全て退け、一審同様に有罪とした。
控訴審で弁護側は、元代表松本智津夫死刑囚(61)の証人尋問を改めて請求したが、栃木裁判長は「必要性は低い」と判断し、一審に続き却下した。他に新たな証拠調べや被告人質問は行われず、7月に即日結審していた。
オウム事件の裁判は2011年にいったん終結したが、逃亡していた平田信受刑者(51)の出頭で14年に再開した。同受刑者は懲役9年とした一審判決が確定し、菊地直子被告(44)は一審で懲役5年、二審で逆転無罪とされ、検察側が上告している。
高橋被告は17年間逃亡していたが、12年に都内で逮捕された。
判決によると、高橋被告は松本死刑囚らと共謀し1995年3月、走行中の営団地下鉄(現東京メトロ)5本の車内でサリンを散布し、12人を殺害するなどした。
2016年9月7日 17時31分 時事通信社
高橋 克也(1958年4月26日 - )
オウム真理教の元信徒
神奈川県横浜市
ホーリーネームスマンガラ
ステージ師長補
教団での役職諜報省
入信1987年
関係した事件
公証人役場事務長逮捕監禁致死事件
地下鉄サリン事件
東京都庁小包爆弾事件
会社員VX殺害事件
被害者の会会長VX襲撃事件
判決無期懲役(控訴中)