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北朝鮮で深刻な洪水被害

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北朝鮮で深刻な洪水被害、政府が異例の支援要請

(CNN.co.jp 9月13日)

北朝鮮の朝鮮中央通信は、同国北東部が記録的な豪雨による洪水に見舞われ、深刻な被害が出ていると伝えた。北朝鮮メディアが自国の窮状について伝えるのは異例。

朝鮮中央通信の11日の報道によると、北東部で1945年以来の記録的な豪雨が観測され、数万棟の建物に被害が出た。住民は住む場所を失って「多大な苦難に見舞われている」という。

国連人道問題調整事務所も、北朝鮮で台風10号(ライオンロック)の影響による被害が出ていることを確認した。茂山(ムサン)郡や延社(ヨンサ)郡、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の会寧(フェリョン)市などで豪雨による洪水が発生し、これまでに133人が死亡、395人が行方不明となり、14万人が緊急に支援を必要としているという。

朝鮮中央通信は、朝鮮労働党中央委員会が党員や朝鮮人民軍に対し、連携して被災地の復興支援に当たるよう呼びかけたと伝えた。労働党は全土で200日にわたる動員計画の展開も指示しているという。

災害の規模の大きさを受け、北朝鮮政府は公式の支援要請にも踏み切った。

北朝鮮事情に詳しい香港城市大学のブラッドリー・ウィリアムズ教授は、「北朝鮮政府が表立って広く支援を呼びかけるのは、前例がないわけではないが珍しい」と話している。

ウィリアムズ教授によると、洪水の被害が広がっているのは北朝鮮の中でも特に貧困が深刻な地域で、強制労働所や体制に敵対するとみなされた勢力の拠点もあるという。労働党は、被災者の窮状よりも、住民の間に不満が広がって体制の転覆を謀る動きにつながることを警戒しているようだと同教授は推測する。

北朝鮮は5回目の核実験を強行したばかりで、国際社会からの非難が集中し、国連安全保障理事会の制裁強化も予想される。

「北朝鮮が英語で支援を訴えている背景には、被害の大きさを考慮して国際社会が反応してくれるかもしれないというかすかな期待があるのかもしれない」とウィリアムズ教授は話している。


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