「県民は感謝すべきだ」 四軍調整官、沖縄県抗議に反論
米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ墜落事故を受け、安慶田光男副知事が14日、北中城村のキャンプ瑞慶覧で在沖米軍トップのローレンス・ニコルソン四軍調整官に抗議した。安慶田副知事は面談後、報道陣に対しニコルソン氏が「住宅や県民に被害を与えなかったことは感謝されるべきだ」と抗議に不快感を示したことを明かした上で「植民地意識丸出しで、とんでもない感覚だ。配備すら反対しているのに、事故を起こすなんてとんでもない」と強く反発した。
安慶田副知事によると、ニコルソン氏からは「抗議書の中にパイロットに対する気遣いがあってもいい」「政治問題化するのか」などの発言も聞かれ、怒りを示す場面もあったという。抗議に加え、オスプレイの飛行中止と配備撤回を要請した安慶田副知事は「謝罪も全くなかった。抗議文を渡す時も顔色を変えて怒っていた。人間性を疑う」と憤った。面談は約30分、非公開で行われた。
ニコルソン氏はその後の会見で一転、「今回のことは誠に遺憾。申し訳ないという思いだ」と謝罪の意を示した。一方で「訓練にはリスクを伴い、危険も伴うことはある。ただそのリスクは、お互いの国の防衛を守る意味で必要だ」と訓練における事故を前提としたような発言もあった。
墜落場所については「沖縄の人を守るために、近くの海に降りたことは良い判断だった」とパイロットを賞賛。今後の運用については「私自身が問題ないと確信するまで飛行しない」と明言した。切断されたホースがプロペラを損傷させた墜落原因については「オスプレイのシステムによる問題ではない」と強調した。
翁長雄志知事は同日夕、県庁で会見し、「感謝されるべき」との発言について「(これまでも)高圧的な発言が多かった。今回もそういう態度で発言があったと聞いている。米軍と県民の考え方に大きな違いがあり、県民や日本政府の考え方も伝わっていないのではないか」と不快感を示した。
(琉球新報 2016年12月15日 )
米軍高官「被害与えず、感謝されるべき」 沖縄副知事に
沖縄県名護市沖に米軍輸送機オスプレイが不時着して大破した事故で、沖縄県の安慶田(あげだ)光男副知事は14日、在沖米海兵隊トップのニコルソン四軍調整官に対し抗議した。安慶田副知事によると、ニコルソン氏は「パイロットは住宅、住民に被害を与えなかった。感謝されるべきだ」と抗議に不満を示したという。
安慶田副知事によると、オスプレイの飛行停止と配備撤回を求める抗議文をニコルソン氏に手渡し、抗議したが、ニコルソン氏はかなり興奮した様子で「(事故を)政治問題にするのか」と言ったという。安慶田副知事は「県民はオスプレイの配備も訓練も認めていない」と述べたが、ニコルソン氏は最後まで怒りが収まらない様子だったという。
安慶田副知事は面会後、報道陣に「謝罪は全くなかった。本当に植民地意識丸出しだなと感じた」と述べた。
沖縄には2012年10月から米軍普天間飛行場(宜野湾市)に順次24機のオスプレイが配備されたが、県や宜野湾市などは一貫して配備撤回を求めている。
(朝日新聞DEGITAL 2016年12月14日)
V-22は、アメリカ合衆国のベル・ヘリコプター社とボーイング・バートル社が共同で開発した航空機である。
愛称のオスプレイ(英: Osprey)とは、タカ目の猛禽類の一種である「ミサゴ」を意味する。
第三海兵遠征軍司令官および在日米軍沖縄地域調整官:
ローレンス・ニコルソン中将
第3海兵遠征軍 (アメリカ軍)