川西市女性暴行死 異様な集団生活の実態
兵庫県川西市で3年前に女性が暴行され死亡し、24日に新たに男女4人が逮捕された事件。
取材を進めると、奇妙な集団生活の実態が見えてきました。
24日、傷害致死の疑いで逮捕された田口恵子容疑者(32)と内縁の夫の下地道嗣容疑者(34)ら4人。
2013年10月、兵庫県川西市の住宅で同居していた肥後恭子さん(当時25)を棒などで殴って死亡させた疑いが持たれています。
当時、同居していた肥後さんの兄(29)が「1人でやった」と供述したため、警察は兄を単独犯として逮捕。
兄は懲役5年の実刑判決を受けて、今も服役しています。
一旦は終わったはずの事件。
しかし、警察へのある相談をきっかけに大きく動き出しました。
「知人が支配下に置かれて自由を奪われている。変な共同生活をしている」
今年7月、田口容疑者らと同居していた20代の女性の話を聞き、不審に思った知人が女性と一緒に警察を訪問し相談。
本格的な捜査が始まりました。
「田口容疑者と下地道嗣容疑者が暮らしていた自宅です。ここ以外にも町内に複数の家を借り、十数人が行き来する異様な集団生活が行われていました」
警察によると、田口容疑者と下地容疑者は8年ほど前に内縁関係になり、同居を開始。
そこに肥後さんや兄が加わり、6年ほど前から集団生活が始まりました。
さらに、今回逮捕された下地貴慎容疑者(24)や弟で17歳の少年、その親族などが次々に家に引き込まれ、川西市内にある3つの住居を子供も含む約15人が行き来していたということです。
【周辺住民】
「高校生くらいの子を見た気がする、女の子も。色んな人がいたから分からなくて『誰が住人やろうね』って言ってたくらい」
「女性とか子どもが夜の12時以降に出入りすることないと思うんですけど。それがちょくちょく見られて不審に思ってました」
さらに…
捜査の中で、肥後さんの事件に関わったとして逮捕された17歳の少年も日常的に虐待を受けていたことが判明。
田口容疑者らは少年に対して熱湯をかける、可燃性のガスに火をつけて噴射する、爪の中に針を刺すなどの暴行を加えたとして、すでに逮捕・起訴されています。
ある住民は、若い男性が暴行されている様子を目撃したと話します。
【暴行を目撃した人】
「リンチっていうか、(車の)後ろのトランクに1人詰め込んで、皆で「死ねコラ」(って言いながら暴行していた)」
一体何のための集団生活だったのか。
田口容疑者は肥後さんの事件について黙秘していて、警察は実態の解明を進めています。
(関西テレビ 2016 12/26)