「焼死体観察したい」と犯行 タリウム事件、検察側主張
名古屋市内のアパートで森外茂子(ともこ)さん(当時77)を殺害したほか、同級生に硫酸タリウムを飲ませたとして殺人などの七つの罪に問われた元少女(21)の裁判員裁判で、放火未遂・殺人未遂事件の審理が20日、名古屋地裁で始まった。
検察側は「『焼死体を観察したい』と考え、一戸建てを狙って寝静まった深夜に実行した」と主張した。
検察側の冒頭陳述などによると、元少女は2014年8月、自作の火炎瓶に火をつけ、仙台市内の女性宅の窓を損壊したとされるほか、森さん殺害後の同年12月13日、同じ女性宅の郵便受けに引火性の高い薬品「ジエチルエーテル」を流し込んで火をつけ、住人3人を殺害しようとしたとされる。
検察側は、元少女が高校時代、焼死体について触れた本を読んで興味を持ち、「事前に準備をしてその通りに犯行をおこなった」と主張した。
弁護側は「通常の人の思考からは動機が理解できない」「元少女は当時、躁状態にあった。責任能力がない」と反論した。
元少女は同市内の高校2年生だった12年5~7月、タリウム入り飲料水を同級生2人に飲ませたとして殺人未遂罪でも起訴されている。
(2017年1月20日朝日新聞DEGITAL)