<傷害致死容疑>「悪魔払い」1歳死亡か 母の知人聴取へ
前橋市の女児(当時1歳)が2011年5月、急性硬膜下血腫で死亡したのは虐待による疑いが強いとして、群馬県警が60代の女から近く、傷害致死容疑で事情を聴くことが分かった。女は母親の知人で、女児に「悪魔払い」と称して日常的に暴行していたとの目撃情報もあり、県警は慎重に捜査を進める。
捜査関係者らによると、女は11年5月上旬、前橋市内の自宅アパートで、女児に暴行を加えて死亡させた疑いが持たれている。
女児は同月2日夕方、全身がけいれんする状態で市内の病院に運び込まれ、4日後に死亡した。母親は、医師に「1週間前に階段から転落したが、けいれんを起こすまで何ごともなかった」と説明。一方、県警や周囲には「玄関の上がりかまちに頭を打った」などと別の説明もしていた。
女児の死因は司法解剖の結果、急性硬膜下血腫と判明。女児の脳内には激しい損傷がみられ、脳に強い衝撃を受けた可能性があるという。
関係者によると、女は当時、自宅アパートで、体の痛みを訴え訪れた人の相談を受け、その部位を触るなどして金銭を得ていた。母親は女を「先生」と呼び、女児を連れて連日訪れていたらしい。
女児は生後間もない頃から、「体の中から悪魔が出ていかない」などと、暴力を連日ふるわれていたという。女をよく知る男性は、県警の調べや毎日新聞の取材に「女児の足を引っ張って頭を床にたたきつけたり、『悪魔がいる』と言って喉の奥に指を突っ込んだりしていた」と証言している
(毎日新聞 2/23)