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新座頭市/第3シリーズ 最終回「夢の旅」勝新太郎×勅使河原宏 1979年

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新座頭市・第3シリーズ

第26話 最終回

「夢の旅」

脚本
勅使河原宏・中村努、

監督
勅使河原宏
 
撮影
森田富士郎

音楽
富田勲


観世栄夫、大川修、辻萬長

1979年11月19日放映



死ぬまでに 座頭市は全て観ておかないと悔やむことになるだろうと 少しづつ進めていきたいと思います
とりあえず 今回はテレビシリーズの最終回から始めてみましょう

この最終回はリアルタイムで観ています 19歳の時です とゆーことは 自分は高校生でも大学生でも社会人でもありません
この頃は まだシュールレアリズムは大好物だったので この最終回のシュールの迸り感は痺れましたね
一人で大騒ぎするつもりでしたが 総合美術研究所の一つ下の八尾高の羽鹿守君も大騒ぎしてました だから二人で騒いでいたことになります
とにもかくにもカッコ良かったです 座頭市がシュールに迸っておるのですから
頭デッカチで机上のシュールではなく もっと手触り感のある確信に基づいたシュールであるように思います
思春期のシュールじゃなく大人のシュールですな

でもこの歳になるまで33年間 記憶には丸っきり残っておりませんでした
今観ると 監督が勅使河原宏クレジットになっております
そーです あの勅使河原さんです

文春新書の「天才 勝新太郎」とゆー本の中で 勅使河原さんと勝さんの馴れ初めから この「夢の旅」についても詳しく書かれてあります
撮影期間は一年近く 制作費は5千万円
テレビドラマなのにテレビドラマなのに
そして その成果は十二分に出ている僕は思います
今観ても全然古臭い懐メロ感は無く
ビンボー臭く無く 格調高く
手抜き無し
映像は美しく 硬さと柔らかさのメリハリがあり
人物の動きの一つ一つが微に入り細に入り (子供や犬の動きさえも)
シュール一辺倒ではなく 素晴らしい居合いシーンも3カ所以上あり ぼやけた輪郭をピッチリ整えております
シュールシーンは 実相寺さんにも鈴木清順さんにもデビッドリンチさんにもルイスブニュエルさんにも引けを取らない出来映えです
中途半端で流していないってことです
勅使河原さんっぽいエロ映像ありです
しかもカラーです

勅使河原さんと云えは安部公房もんなのでしょうが
自分は安部公房もんより この「夢の旅」の方が完成度は高いと思います
何しろ勝新が素材ですから
「座頭市はそんなことしないよ」とゆーギャグをかましたのは矢沢さんより勝新が先ですからね
そー云ってダダをこねた勝新と勅使河原さんは揉めたらしーですが  森田カメラマンが間に入って頑張られたみたいです



座頭市の最後 目を開いたら座頭市はどーなるか?
勅使河原解釈では 人物が色とりどりに見えて
勝新解釈では「目が開いたら 音は消えるんだよ」となる
おてんとさんに救いを求めて・・・

シュールと勝新の居合い
脇役の人々の配置と動き
刀のギラつき
完璧なるカッコ良さの最終回
こんな素晴らしい映像と文化が日本にもあったのです
時代は1979年

勝 新太郎(1931年(昭和6年)11月29日 - 1997年(平成9年)6月21日 )  48歳
勅使河原 宏(1927年1月28日 - 2001年4月14日) 52歳

これを作った勅使河原さんは52歳だったのです
今の自分と同い歳です  
これは これは ・・・・


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