「浮草」
1959年 大映
監督 小津安二郎
1959年に『彼岸花』の制作で大映の女優山本富士子を借りた見返りに、本作を大映で撮影することになった
出演
中村鴈治郎 (2代目) 57歳
京マチ子 35歳
若尾文子 26歳
川口浩 23歳
杉村春子 53歳
野添ひとみ
笠智衆
他
もぉ〜 こんな素ん晴らしいブツあんねんやったら はよ教えてもらわんとどんなりまへんがな 何さらしてけつかんねん
この歳なるまで このブツに出逢えんかったとは 悔しい 悔しい 歯がゆい 歯がゆい もどかしい もどかしい アホ ドアホ
大映で中村鴈治郎 &京マチ子夫婦役と云えば わたくしのフェバリット和シネマ「鍵」以来の出逢い ワクワク ハラハラ ドキドキ
しかも同じ1959年の映画
市川VS小津
おまけに かいらしい かいらしい 若尾文子 おまけに かいらしい かいらしい 野添ひとみまで付いてくる なんちゅうお得感
もちろん 小津安二郎監督につき あの変てこりんな絵運び具合が無比
想像を絶するビックリな絵柄の連発でチビリそうになります
まずは中村鴈治郎と川口浩のやりとりで 泣きそうになる
「何ぬかしてけつかんねん」とゆー台詞がこんなにサマになる御大はおらんのやないですか
次は杉村春子宅に乗り込んでくる京マチコと中村鴈治郎のやりとりで 笑いが絶えまへん
「何さらしてけつかる」「阿呆!ド阿呆!」対面する絵柄が見事
よく このような絵柄にしようと思いつくもんですな と感心するかぎりです
とにもかくにも中村鴈治郎バッキバキの珠玉の大阪弁による名台詞オンパレードで 脳味噌バーンなりまっせ
若尾様と小僧さんの かいらしい かいらしい 演舞に心が小躍りらんららんらら〜ん
川口探検隊がバイトする郵便局に京マチコの差し金で若尾様が逆ナンしにやってくる 鉛筆を舐める仕草の若尾様に悩殺
こんな按配で今回の小津作品は いつものやうな 凪な 遠浅な ぬるい ほのぼの 何事も起こらず時間が過ぎる系ではなく
ドラマチックに展開しよるわけです
やはり松竹の役者さんと大映の役者さんとがごった煮になって
全てが中村鴈治郎さんの芸風に収束されていく感じが もう とんでもなくヨイ心持ちにさせられ
最後には グッとこさせられて なんちゅう人やねん この鴈治郎とゆー人は
これは これは 一生もんの作品なので レンタルで済まさず 一家に一枚DVDをてな感じの名作です
ラストにかけての中村鴈治郎の疾走ぶりは まさに「浮草」のタイトルにバッチコーンとハマっているのであります
二代目 中村鴈治郎(1902年(明治35年)2月17日 - 1983年(昭和58年)4月13日)
京 マチ子(本名: 矢野 元子、1924年(大正13年)3月25日 - )
若尾 文子(本名:黒川 文子、1933年11月8日 - )
川口 浩(1936年(昭和11年)8月22日 - 1987年(昭和62年)11月17日)
杉村 春子(1906年1月6日 - 1997年4月4日)
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未見の小津&鴈治郎コンビ作「小早川家の秋」も早めになんとかしたい
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