<仏週刊紙テロ>3容疑者の身元特定…1人が出頭
仏週刊紙「シャルリーエブド」のパリにある本社で7日、
男らが銃を乱射し、計12人を殺害した襲撃事件で、
仏捜査当局は同日、容疑者3人の身元を特定した。
仏メディアの報道によると、アルジェリア系のパリ出身の34歳と32歳の兄弟と、
仏北部ランス出身の18歳。
3人のうち、18歳の男は7日深夜(日本時間8日朝)、
仏北部シャルルビルメジエールの警察署に出頭した。
米メディアは米国情報筋の情報として、兄弟はイラクで戦闘に参加した経験があると報じた。
警察は約3000人体制で他2人の行方を追っている。
オランド仏大統領は7日夜、テレビ演説し、
「フランス共和国そのものが攻撃された」と非難した。
「容疑者を捜し、逮捕し、法の裁きを受けさせる」と、犯人の訴追と、
テロとの戦いへの決意を表明した。
国内各地では、市民らが広場に集まり、追悼と抗議の大規模な集会を開いた。
仏政府は8日を追悼の日とし、各地で半旗を掲げる。
仏メディアによると、兄弟のうち1人は2005年にイラクに過激派を送り込んだ事件に絡んで執行猶予付きの有罪判決を受けていた。
昨年、イラクやシリアで勢力を拡大した過激派組織「イスラム国」との関連は不明だ。
仏メディアが報じた目撃証言によると、
7日午前11時半ごろ、覆面をかぶり、銃を持った2人組の男が同社本社建物に押し入り、
地上階の受付にいた男性2人に同社であることを確認した後、発砲し、1人を殺害した。
男らは3階の編集室に向かい、「偉大な神よ」「預言者の敵だ」と叫びながら銃を約30発連射した。同紙は毎週水曜日の午前10時から編集会議を開いており、
男らはこの編集会議を狙った可能性が高い。
会議に遅れて建物に到着した同紙のデザイナーの女性はルモンド紙に
「自分が建物玄関に着くと覆面の男2人がおり、脅されて扉の暗証コードを押した」と証言した。
女性によると「男らは完璧な仏語を話し、(国際テロ組織)アルカイダを名乗った」という。
女性は銃撃中、机の下に隠れたという。
屋上に逃げ込んだ記者が撮影した映像では、男らは建物の外に出てからも叫びながら銃を乱射。
駆けつけた警察官らに発砲し、負傷した警察官に近づいて射殺した。
男らは付近に止めてあった黒い乗用車に乗り込み、同紙本社から約4キロ北の地点で車を乗り捨て、
近くに停車していた車を奪って逃走した。
◇シャルリーエブド◇
政治家や聖職者などに対し厳しい風刺を行う週刊のタブロイド紙で、公称3万部。
1960年代に月刊紙「アラキリ(腹切りの意味)」がドゴール元仏大統領の死去を嘲笑して発売禁止処分になったことを受け、多くの編集者が移籍して70年に発刊された。
81年から一時休刊したが、92年に復刊。
2006年にデンマーク紙が掲載したイスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を転載した。
その後も11年、12年と相次いで同様の風刺画を掲載。
イスラム諸国で死者が出る抗議デモが起き、同社への脅迫も続発した。
国際テロ組織アルカイダは13年、編集長を標的リストに掲載。
仏警察は本社を警護対象にしており、7日の銃撃で死亡した警察官2人も警備担当者だった。
(毎日新聞2015年 1月8日)
仏テロ:「神は偉大なり」男ら叫ぶ 被弾警官へ発砲
仏週刊紙「シャルリーエブド」の本社襲撃事件では、上下黒ずくめの男2人が銃撃を繰り返す衝撃の瞬間を、たまたま近くにいた目撃者が撮影していた。インターネット上で公開された動画には、凄惨(せいさん)な現場が記録されていた。
本社近くの建物屋上から撮影したとされる動画では、道路中央に止められた小型乗用車から黒ずくめで目出し帽をかぶった男2人が飛び出すと、自動小銃を水平に構えていきなり数発発砲。歩道にいた警察官が被弾し倒れ込むと、男のうち1人が近づき、片手を上げ無抵抗の姿勢を示す警察官に更に1発発砲した。その後、男らは再び車に戻り別の場所へと移動した。
また別の動画では、オフィスビルなどが並ぶ繁華街の十字路で、男2人が「アラー・アクバル(神は偉大なり)」と大声で叫び、直後に自動小銃を乱射。さらに何かを叫びながら移動する様子が映っていた。
(毎日新聞 2015年01月07日)
Charlie Hebdo (French pronunciation: [ʃaʁli ɛbdo]; French for Weekly Charlie)
is a French satirical weekly newspaper