座間9遺体事件2017年(平成29年)10月30日に行方不明女性当時23歳を捜査する過程で発覚し、翌31日までに9人の遺体が見つかった死体遺棄事件
白石隆浩が住んでいた神奈川県座間市緑ケ丘のアパート室内で、若い女性8人・男性1人の計9人とみられる複数人の遺体が見つかっている。殺害、遺体損壊を行った期間は8月22日から10月30日までの期間で、全て遺体が発見された室内で行われたとみられている。
2017年10月31日に白石隆浩は逮捕され、以降、白石の供述および司法解剖の結果などから白石はさらに複数人の殺人・死体遺棄容疑で再逮捕された後、9人全員に対する強盗・強制性交等殺人罪、強盗殺人罪、死体損壊・死体遺棄罪で起訴された。
事件は日本国政府の関係閣僚会議や海外メディアにも大きな影響を与えたほか、事件に利用されたSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス) のTwitter(ツイッター)では事件後に利用規約変更がなされた。
「睡眠薬を入れたウイスキーをコーラで割ったものを出したら、みんな自分から飲んでいました。こちらの『飲ませよう』という気持ちが強ければ『変なことをされるかも』と相手は警戒する。だから自分から飲みたくなるような雰囲気をつくったんです。例えば、私がひとりで黙って飲み始めたり、お酒の話をして警戒を解いたり…。相手が酒を飲んで意識がもうろうとしたところで、殺害しました」 「これまでの人生の中で、いちばん頑張ったことっていうと、事件かな。今回の事件が、いちばんの挑戦でした」「本当に死にたいという人は1人もいなかった」「金を返したくなくて殺した」「相模原の事件の犯人とは違って、犯行の理由は、ただただ『欲』に突き動かされて、です。具体的には、金銭欲と性欲を満たすため。殺したのは、殺人や死体損壊の願望があったわけではないです。強引な性交をしてから女性を生きたまま帰すと、一度逮捕された身だからすぐにしょっぴかれる。証拠隠滅のために殺しました。 特によく思い出すのは、最初に殺害した1人目と“好みのタイプ”だった9人目。1人目は金銭を奪う目的で殺害しましたが、そのときに初めて、強引な性交によって自分の性欲が満たされることがわかった。それから、自分の欲望にスイッチが入って、次々と被害者となりそうな女性をツイッターで探し、犯行を繰り返すようになりましたね」
「あのアカウントは、完全に精神が弱っている子の気を引くためのキャラクター作り。『死にたい』というつぶやきとともに、『学校がイヤだ』とか『彼氏が欲しいのにできない』とか具体的な悩みを発信しているかたは特に取り込みやすい。 そういうツイートをしている人を毎日5~10人くらい物色してアプローチしていました。1割くらいのかたから返信がありましたね。だいたい、『死にたい』と言う人なんてみんなかまってほしいだけ。それをうまく聞き出して、懐に入っただけです。自殺サイトではなくツイッターを使ったのは、以前、風俗店に女性を紹介するスカウトの仕事をしていたとき、ツイッターで女性を募集したらすごく集まりがよかったから。私自身は、死にたいと思ったことなんて一度もないです。 被害者のかたたちのことは、最初から欲望の対象として見ていて、自分の家族や友人、お世話になった上司といった“大切な人たち”とは別の次元にいる。自分の中で線引きができているから、殺したことへの後悔とか、遺族に対する申し訳ないという気持ちとかって、一切ないんですよね」 「父親は、仕事が恐ろしく忙しく、家族がお金に困ったということはなかったが、仕事を頑張りすぎて、いつも疲れ切っていました。お金と仕事に対する熱量と収入のバランスがとれていなかったので、もっと楽な、ストレスのない仕事をすればいいのにと思っていました。 母親はきれいで料理がうまくて非の打ち所がない完璧な人。自分が19才のときに、パチスロにハマって多額のお金をせびったことで断絶してしまった。1回3万~5万円くらいで、結果として40万~50万円くらい借りがあります。妹は、優しくて、頭もよくて気も使える人。 この件では父や妹にも迷惑をかけてしまったと思う。もし戻れるなら高校を卒業して、スーパーのベーカリー部門で働き始めた頃に戻ってやり直したい。そうしたら今頃、パンをかまどで焼いてたんでしょうね」
白石は両親と妹の4人家族で育った。父親は大手自動車メーカーの工場に勤務した後、独立。5才年下の妹は名門私立大学を卒業したエリートだ。 一方、白石は神奈川県横浜市にある県立高校を卒業後、地元のスーパーに就職するも、2年あまりで退職。パチンコ店などのアルバイトを転々とし、東京・新宿の歌舞伎町で風俗店のスカウトをしていた。 白石が職を転々とする頃、母親と妹は自宅を出て、父親と2人暮らしが始まった。白石が幼少期から暮らしたその一戸建ては、犯行現場となったアパートから車で15分ほどのところにある。
(女性セブン2018年11月1日号)
逮捕された当時27歳の白石隆浩は1990年(平成2年)10月に座間市内で生まれた。1994年(平成6年)ごろ、当時4歳だった白石は自動車関連の仕事をしていた父親と母親・妹とともに座間市の一軒家に引越し、横浜市内の県立高校(神奈川県内の商業系高校)を卒業してからは大手スーパーに就職した。就職後は正社員として勤務しており、目立ったトラブルはなかったが、2011年(平成23年)10月に自己都合退職してからは海老名市内のパチンコ店に勤務するなど、神奈川県内で複数の職を転々とした。
幼少期の白石は「おとなしく目立たない存在」で、両親/妹と4人家族だったが事件発覚の数年前に母親・妹と別居し父親が1人で自営業を営んでいた。事件より少し前までは東京都新宿区歌舞伎町にある職業紹介会社で風俗店などに女性を派遣する仕事をしており、2017年2月には職業安定法違反の疑いで茨城県警に逮捕され、執行猶予付きの有罪判決が確定していた。
この判決以降はほとんど仕事をしておらず、後に「楽して生活したかった」などと供述している。また、2017年3月より白石はTwitterを利用して自殺願望を持つ女性たちと交流することを開始している。この時期から男はインターネットで自殺に関する知識を得ており、自身の知識が増えると共に自身の(自殺に関する)話に興味を持つ相手が増えたことも供述している。
白石は遺体が発見された現場の座間市緑ケ丘の小田急小田原線の線路に面した木造2階建てアパートの一室を8月18日に賃貸契約し、同月22日に入居した。
賃貸契約した8月18日には1人目の被害者も白石と同行しアパート室内を内覧していたほか、翌19日には不動産会社にも同行、訪問し白石と共に賃貸契約手続を進めていた。このアパートは賃貸契約の際に口座に一定額を所持している必要があり、そのため1人目の被害者女性に51万円を振り込ませた。また、アパートの入居手続きは父親が済ませたが、その際はとても慌ただしい様子だったとアパートの管理人は語っている[4]。
白石は被害者を誘い出す口実にも「一緒に死のう」と呼びかけてはいたが、実際に自分も共に自殺するつもりはなかった。 解体に用いた道具としてのこぎりなどを準備しており、これをアパート入居前に遺体の解体準備として事前に購入していた。遺体の切断方法についてもスマートフォンを利用して検索し調べていた。
その後、白石は8月22日に同アパートに入居して以降、Twitterでメッセージを送った女性らを自宅に招き入れ、睡眠薬・酒を飲ませた後に殺害した。殺害方法は、ロフトから垂らしたロープで首を吊って絞殺した。
・2件目 2017年8月28日ごろ 群馬県邑楽郡邑楽町の当時15歳女子高生
自宅アパートにて性的暴行を加えた上、ロープで首を絞めて殺害し現金数千円を奪った・3件目 2017年8月30日ごろ 神奈川県横須賀市の当時20歳男性 強盗殺人
殺害動機は「男性と面識があった厚木市の女性が殺害されたことが男性に発覚するのを恐れたため」だった。・4件目 2017年9月16日ごろ 埼玉県所沢市の当時19歳女子大生
自宅アパートにて性的暴行を加えた上、ロープで首を絞めて殺害し現金数百円を奪った。
・5件目 2017年9月24日ごろ 埼玉県春日部市の当時26歳女性
自宅アパートにて性的暴行を加えた上、ロープで首を絞めて殺害し現金数千円を奪った。
・6件目 2017年9月28日ごろ 福島県福島市の当時17歳女子高生
自宅アパートにて性的暴行を加えた上、ロープで首を絞めて殺害し現金数千円を奪った。
・7件目 2017年9月30日ごろ 埼玉県さいたま市の当時17歳女子高生
自宅アパートにて性的暴行を加えた上、ロープで首を絞めて殺害し現金数千円を奪った。・8件目 2017年10月18日ごろ 神奈川県横浜市の当時25歳女性
自宅アパートにて性的暴行を加えた上、ロープで首を絞めて殺害し現金数百円を奪った。
・9件目 2017年10月23日ごろ 東京都八王子市の当時23歳女性
自宅アパートにて性的暴行を加えた上、ロープで首を絞めて殺害し現金数百円を奪った。
「死にたい人いなかった、殺人です」白石容疑者
神奈川県座間市のアパートで男女9人の切断遺体が遺棄された事件で、白石隆浩容疑者(27)(死体遺棄容疑で逮捕)が調べに対し、「女性たちは『死にたい』と言っていたが、会ってみると本当に死にたいと思っている人はいなかった。私がしたことは殺人です」と供述していることが捜査関係者への取材でわかった。
室内からは凶器が見つかったほか、血液反応もあり、警視庁が裏付けを進めている。
捜査関係者によると、白石容疑者はツイッターで「首吊(つ)り士」など、自殺を連想させる複数のアカウントを使用。連絡してきた自殺志願者の女性に、「自分の家のロフトなら首吊りをして死ねる」「一緒に安楽死しよう」と伝えて誘っていた。「友人になろう」「恋人になろう」と持ちかけたこともあった。
電話越しのうめき声「襲われた女性だったかも」
今年9月にツイッターで白石容疑者と知り合い、連絡を取っていた千葉県の介護士の女性(21)は読売新聞の取材に対し、これまで数回、電話越しにうめき声を聞いたと証言していた。
女性は9月下旬に白石容疑者と電話で話した際、受話器越しに「あぁ」という女性のうめき声を聞いた。「家に誰かいるの?」と尋ねると、白石容疑者は「いない」と否定した。
さらにシャワーが出続けているような音が聞こえたこともあり、その理由を聞いたところ、白石容疑者は「その話はやめよう」と話題を変えたという。
白石容疑者は自宅のロフトにかけたロープで女性らを殺害し、浴室で遺体を切断したと供述している。女性は「白石容疑者は『首をつるためにロフトの部屋に入居した』と話していた。今思うと、うめき声は襲われた女性だったかもしれない」と声を震わせた。
気絶させ「ロフトからロープ、つるして殺した」
神奈川県座間市のアパートで男女9人の切断遺体が遺棄された事件で、白石隆浩容疑者(27)(死体遺棄容疑で逮捕)が、被害者の殺害方法について、「気絶させた上で、ロフトにくくりつけたロープに首をかけ、つるして殺した」と詳細に供述していることが捜査関係者への取材でわかった。
警視庁は、9人のほとんどを同じ手口で殺害したとみて、裏付けを進めている。
捜査関係者によると、白石容疑者はツイッターで「首吊つり士」や「死にたい」など複数のアカウントを使用。連絡してきた自殺志願の女性らに「一緒に死のう」などと持ちかけ、自宅に誘い込んでいた。
白石容疑者宅は6畳一間で、床から約2・4メートルの高さにロフトがあった。白石容疑者は、一部の女性は睡眠薬や精神安定剤、酒を飲ませ、くつろいでいるところを、首を絞め気絶させたと説明。ロフトの下まで運び、ロフトからぶら下がったロープに首をかけたという。
( 読売新聞 2017.11.5)
27歳男、週1ペースで殺害 座間9人遺体、転入8月末から2カ月で
東京都八王子市の女性(23)が10月下旬から行方不明になり、神奈川県座間市のアパートの部屋から複数の遺体が見つかった事件で、切断された遺体が計9人分だったことが31日、警視庁への取材で分かった。捜査1課は死体遺棄容疑で、この部屋に住む職業不詳白石隆浩容疑者(27)を逮捕。約1週間に1人のペースで殺害を続けたとみられ、計画的で猟奇的な連続殺人事件の可能性がある。
遺体発見現場となったアパート周辺は規制線が張られ、100人以上の報道陣や近隣住民らが集まり、閑静な住宅街は物々しい雰囲気に包まれた。
警視庁高尾署捜査本部などによると、白石容疑者は「8月22日に引っ越してきてから9人を殺した」と供述。「ばれると思ってなかなか(遺体を)捨てられなかった」と説明した。死体遺棄容疑には「証拠隠滅しようとしたことに間違いありません」と認めた。
約1週間に1人のペースで殺害を続けたとみられる白石容疑者。捜査関係者によると、「自宅で首を絞めて気絶させてから殺害した」と供述。「浴室で解体し、肉と内臓をごみとして捨てた」「1回目の遺体の処理には3日かかったが、次からはもっと早くできた」とも話している。
自宅の間取りはワンルーム。その狭い空間から9人分の頭部など、切断された遺体が見つかった。捜査1課などによると、男性1人、女性8人とみられる。いずれも頭部に損傷が少なかったのに対し、首から下の胴体や腕、脚は刃物を使ったとみられる痕が残るなど激しい損傷があった。
室内にはクーラーボックスなどが計8つあり、そのうち7つから遺体が見つかった。首から下の部位は、白骨が見えるような状態になっていた。室内から切断に使ったとみられるのこぎりも発見された。一部のクーラーボックスの中には、隠れるようにネコのトイレ用の砂のようなものがかぶせてあった。
「下水のような臭いがした」と近隣住民は異変について明かした。「白石容疑者とみられる男がアパートのごみ置き場に、小さなポリ袋をぽんと置いて自転車でどこかへ行く姿をたびたび見掛けた」。近くに住む女性(83)はこう振り返った。クーラーボックスを男3人で運ぶ姿も近隣住民に目撃されていた。
捜査本部は計画的で猟奇的な連続殺人事件とみて、DNA型鑑定などで遺体の身元確認を急ぐほか、死体損壊容疑も視野に詳しい経緯など全容解明を進める。
(2017.11.1.スポニチアネックス)
1日放送のフジテレビ系「とくダネ!」(月~金曜・前8時)で「座間9人頭部遺体事件」で死体遺棄の疑いで逮捕された神奈川県座間市の白石隆浩容疑者(27)=職業不詳=を知る関係者を取材した。
実家近くの女性は幼少期の容疑者を「かわいいし、飛び抜けて頭がいい」と明かし、小学校時代の同級生は「家族関係も良好だった」などと証言していた。ただ、小学校時代に同容疑者が「首締めあって失神ゲームみたいなのをやって、失神したことがある」と振り返っていた。
また、生活の転機として10年ぐらい前に母親が都内の学校に進学した妹と一緒に座間の自宅を離れた証言を紹介。母と妹は都内で暮らし、白石容疑者は父と2人で暮らすようになったという。ただ、父親は近所の男性に半年ぐらい前に、白石容疑者に「彼女ができた」とうれしそうに話していたという。さらに遺体が発見された10月30日も父親はこの男性の家を訪れ「みかん持って家に来た。普段のままでした」と明かしていた。
(2017.11.1.スポーツ報知)
ロープ・結束バンドで拘束か…千枚通しも押収
神奈川県座間市のアパート一室に男女9人の切断遺体が遺棄された事件で、室内から、ロープと結束バンド、千枚通しが押収されていたことが捜査関係者への取材でわかった。
警視庁は、白石隆浩容疑者(27)(死体遺棄容疑で逮捕)が、遺体で発見された9人の殺害や拘束に使ったとみて、鑑定を進めている。
捜査関係者によると、白石容疑者は同庁の調べに対し、「抵抗する女性らの首を絞めて気絶させた後で殺害し、浴室で遺体を切断した」と供述している。
同庁は、発見されたロープと結束バンドで、気絶させた被害者を拘束していたとみている。
室内には、遺体の切断に使われたとみられる、のこぎりもあった。のこぎりと千枚通しは殺害や遺体の切断などに使われた可能性があり、同庁で血液などの付着がないか調べる。
(読売新聞 2017,11,1)
被害者4人は10代後半か
神奈川・座間市のアパートで、切断された男女9人の遺体が見つかり、27歳の男が逮捕された事件で、男は、9人の中に10代が4人含まれていると話していることが、新たにわかった。
現場には、1日も朝から警視庁の捜査車両が到着し、現場検証が行われていた。
一方、9人の遺体について、その被害者のおおよその年齢など、取り調べでの最新の供述の様子が明らかになってきた。
1日朝、送検された白石隆浩容疑者(27)は、座間市の自宅アパートに女性の遺体を遺棄した疑いが持たれていて、室内からは、少なくとも9人の遺体が見つかっている。
警視庁のこれまでの調べで、9人の遺体は、8人が女性、1人が男性とみられているが、白石容疑者は、その後の調べで、「9人のうち、10代後半が4人、20歳くらいが4人、20代後半が1人」と話していることが新たにわかった。
さらに、白石容疑者は、9人をいつ殺害したかについて、「8月に1人、9月に4人、10月に4人を殺害した」と話していていることも新たにわかり、女性8人全員に対して「暴行した」と話しているという。
また、男性1人は、被害者女性の交際相手で、行方を尋ねられたので、呼び出して殺害したと話しているという。
(フジテレビ系(FNN) 2017.11.1)
<座間9遺体>周囲に自殺ほのめかす…容疑者、6月から
神奈川県座間市のアパート一室から9人の遺体が見つかった事件で、死体遺棄容疑で逮捕、送検された職業不詳の白石隆浩容疑者(27)。未成年の少女らを含む9人の殺害を認め「女性に乱暴したり、金を取ったりすることが目的だった」などと動機を説明する一方、6月ごろから周囲に自殺をほのめかしてもいた。約2カ月間という短期間に繰り返された凶行に、容疑者を知る人たちは驚きと恐怖を隠さない。
捜査関係者の話などを総合すると、白石容疑者は8月下旬、実家から約2.5キロ離れた現場アパートに転居し、1人暮らしを始めた。その約2カ月前から精神的に不安定な様子がうかがえるようになり、周囲に「死にたい」「生きていても意味がない」などと語っていた。実際に飛び降り自殺をしようとしたこともあったという。
白石容疑者は最近、風俗店に女性を派遣する仕事で収入を得ていた。その仕事ぶりを知る人たちは「ツイッター」に容疑者の悪評を投稿していた。
日本一の歓楽街と言われ、飲食店や風俗店が建ち並ぶ東京・歌舞伎町(新宿区)。この街で白石容疑者を見かけると書き込んだ人は、容疑者の実名と顔写真を投稿し、「色々な人を裏切ってます」「裏でいろいろやってます」などと非難。今年1月から5月まで、同じ内容を繰り返し書き込んでいた。
捜査関係者によると、白石容疑者は歌舞伎町にある職業紹介会社に勤め、女性を風俗店などに派遣していた。今年2月には、売春をさせていると知りながら茨城県内の店に女性を紹介したとして、同県警に職業安定法違反容疑で逮捕され、有罪判決を受けた。
この逮捕のいきさつを知るという女性は、今回の事件が発覚した後の10月31日にツイッターに投稿。女性は白石容疑者からスカウトされ、茨城県内の店に派遣されたといい、「人の個人情報とか話す悪徳スカウトだった」と指摘。一方で「死にたいっていってたら、そばにいてくれた」「今回で思い知った この業界は死と隣り合わせ」と、自分も被害に遭っていたかもしれないという恐怖心を書き込んでいる。
勤務先の職業紹介会社は今春ごろまで、歌舞伎町の雑居ビルに入居していた。このビルで働く女性は容疑者の姿を何度か目にしていた。「事務所の前でたばこを吸い、いつもスマホをいじっていた。会えばあいさつもするし、普通の人という印象」と振り返る。
白石容疑者は茨城県警に逮捕された当時、東京・池袋の繁華街に近い賃貸マンションに暮らしていた。深夜に近くのラーメン店に一人で立ち寄る姿も数回目撃されていた。
一方、幼少期や中学時代を過ごした座間市の実家周辺では「当時はおとなしく目立たない人だった」「こんな事件を起こすなんて信じられない」と驚く声が少なくない。幼稚園、小中学校ともに同級生だった会社員の男性(27)は「おとなしく、影の薄い生徒で、ほとんど記憶に残っていない」と話す。
小中学校で同級生だった息子を持つ女性(58)によると、白石容疑者は中学時代、野球部と陸上部に所属。卒業文集では、部活を通じて友だちができたことを喜ぶ記述があった。女性は「家に遊びに来たこともある。ニュースで写真を見たが、顔の印象が変わった」と話した。
(毎日新聞 2017.11.1)
神奈川県座間市のアパートの一室から行方不明となっていた東京都八王子市の無職女性(23)とみられる遺体を含む男女9人の遺体が31日、見つかった。警視庁高尾署捜査本部に死体遺棄容疑で逮捕された白石隆浩容疑者(27)は、女性の無事を願う兄の執念で捜査線上に浮上。9人の切断された頭部と骨のみが保管された事件は、金銭や快楽などを目的とした猟奇的犯行だった疑いが浮上し、全容解明に向けて本格的な捜査が始まった。
10月30日午後4時ごろ、座間市内の2階建てアパートの一室に踏み込んだ警視庁の捜査員は異様な光景に息をのんだ。異臭が漂う部屋の玄関のたたきにはクーラーボックスが1箱。捜査員が確認すると、中には切断された2つの頭部が無造作に入れられていた。
捜査関係者によると、捜査員がこの日、白石容疑者の部屋を訪れたのは、10月21日以降に連絡が取れなくなった女性の兄からの情報提供がきっかけだった。兄は女性とインターネットを通じて連絡を取っていた形跡がある白石容疑者を突き止め、連絡を受けた捜査員が白石容疑者を尾行していた。捜査員は兄が白石容疑者の自宅に入ったところを確認し、後を追って現場に踏み込んだという。
関係者によると、女性は失踪前、ツイッターで自殺願望をほのめかす内容の投稿を繰り返していたという。女性のものとみられるツイッターアカウントでは9月20日前後に「#自殺募集 死にたいけど1人だと怖い」などとの複数の書き込みがあった後、更新が途絶えていた。
しかし、10月26日、兄を名乗る人物が同アカウントに「妹と連絡が取れなくなった」と行方を案じる投稿をし、他の利用者との過去のやり取りを確認したり、警察に捜索願を出したりして行方を捜していた。
捜査関係者によると、現場のアパート室内には8箱のクーラーボックスや収納容器があり、うち7箱に9つの頭部と大量の骨が入れられていた。白石容疑者はこの部屋に今年8月22日から居住していたが、遺体が入った荷物をいつ、どうやって持ち込んだのかについては現時点で分かっていない。一方、アパート周辺では白石容疑者以外の不審な男の姿が目撃されていた。
近所に住む主婦は「10月半ばの午後2~3時ごろ、アパートに横付けしたワンボックスカーから黒っぽい服装の男3人が、部屋に衣装ケースのようなものを運んでいた」と話す。現時点では白石容疑者の単独犯行との見立てで、事件との関連は不明だ。
捜査関係者によると、白石容疑者の部屋のクーラーボックスなどに入れられていた骨は肉をそぎ落とされていたが、頭部は切断されただけの状態で保管されていた。白石容疑者は「肉などと同様、頭部も捨てたかったが、発覚を恐れて捨てられなかった」などと説明しているとされる。
猟奇的連続殺人事件の様相が強まった事件の真相解明が今後、進められる。
(2017.11.1.産経新聞)
9遺体発見、白石隆浩容疑者(27)を逮捕「殺害した遺体を証拠隠滅、間違いない」
東京都八王子市の無職女性(23)が行方不明になり、神奈川県座間市内のアパートの一室から女性と見られる遺体を含む複数の頭部が入ったクーラーボックスが見つかった事件で、9人分の遺体が室内から見つかったことが31日、捜査関係者への取材で分かった。警視庁捜査1課は同日、死体遺棄容疑で、この部屋に住む職業不詳、白石隆浩(たかひろ)容疑者(27)を逮捕した。
捜査関係者によると、白石容疑者は「自宅で遺体を解体し、ネコのトイレ用の砂をかけたことで逮捕されましたが、これは私が殺害した遺体を証拠隠滅の意味でかけたことに間違いありません」と容疑を認めている。捜査1課は遺体の身元確認を急ぐとともに、女性が死亡した経緯についても詳しく調べる。事件は9人の連続死体遺棄事件に発展する見通しとなった。
逮捕容疑は今年8月22日ごろから10月30日ごろまでの間、座間市緑ケ丘の自宅に、氏名・年齢・性別不明の遺体の一部をクーラーボックスに入れるなどして遺棄したとしている。
捜査関係者によると、頭部が入ったクーラーボックスが白石容疑者の自宅玄関のたたきに置かれていた。室内にはほかにもクーラーボックスや収納容器が複数あり、捜査1課が中身を調べたところ、9人分の遺体が見つかったという。
女性は行方不明になる前、「自殺を一緒にしてくれる人を探している」とツイッターに書き込んでおり、白石容疑者と自殺サイトを通じて1度連絡を取っていた。女性の親族から10月24日に捜索願が出され、警視庁で行方を捜していたところ、30日夕に男の自宅で遺体を発見。任意で事情を聴いていた。
白石容疑者と同じアパートに住む40代の会社員男性は、「(白石容疑者と)あいさつしたことがあるが、はきはきとした印象。8月ごろから、部屋の前を通ると下水のような臭いがしていた。まさか、こんなことが起きるなんて…」と声を震わせた
(2017.10.31 産経新聞)
アパートから9遺体、座間の男逮捕 自殺サイト関係
東京都八王子市の女性(23)が行方不明になり、神奈川県座間市のアパートの部屋から切断された複数の遺体が見つかった事件で、計9人分の切断された遺体が見つかったことが31日、警視庁捜査1課への取材で分かった。捜査1課は同日、死体遺棄容疑で、この部屋に住む職業不詳白石隆浩容疑者(27=同市緑ケ丘)を逮捕した。
捜査1課によると、白石容疑者は「私が殺害した遺体を証拠隠滅しようとしたことに間違いありません」と容疑を認めており、「浴室で解体した」と供述している。
捜査1課は、白石容疑者と女性は自殺サイトを通じて知り合ったとみている。計画的な連続殺人事件の可能性があり、見つかった多数の遺体についてDNA型鑑定などで身元の確認を急ぐとともに、死亡の経緯を詳しく調べる方針。
逮捕容疑は8月22日から10月30日、自宅で氏名や年齢、性別不詳の遺体1体を損壊し、クーラーボックス内にネコのトイレ用の砂のようなものをかぶせて隠し、遺棄した疑い。
捜査1課によると、見つかった9遺体は男性1人、女性8人とみられる。室内にはクーラーボックスと工具用の箱が計8つあり、うち7つに頭部や、腕や脚とみられる骨が入っていた。遺体の損壊に使ったとみられるのこぎりも発見された。頭部のうち2つは30日に見つかった。
白石容疑者が女性とツイッターを通じてやりとりしていたことも判明。女性はツイッターに自殺願望をほのめかす書き込みをしていた。
同じアパートの住民によると、8月ごろから、白石容疑者の部屋から異臭がしていたという。
女性は10月23日、白石容疑者と一緒にいる姿がJR八王子駅と、現場近くの小田急線相武台前駅にある防犯カメラに写っていた。女性の兄が24日、「21日から妹と連絡が取れない」と高尾署に捜索願を提出。その後、兄が女性のアカウントとパスワードでインターネットサイトに接続すると、女性と連絡を取っている白石容疑者が浮上した。
(2017.10.31 日刊スポーツ)
<座間9遺体>周辺住民に衝撃 容疑者2カ月前に入居
アパート2階の一室で、何があったのか。東京都八王子市の女性(23)が行方不明になり、神奈川県座間市の白石隆浩容疑者(27)=職業不詳=が死体遺棄容疑で逮捕された事件。警視庁の捜査で、容疑者の自宅の部屋から見つかった遺体は9人にも上った。捜査員があわただしく出入りする現場の周辺はものものしい空気に包まれ、周辺の住民に衝撃が広がる。警視庁は遺体の身元確認とともに経緯の解明を進める。
「何の変哲もないアパートに、多数の遺体が隠されていたなんて」。近所の住民は戸惑いを隠さない。
事件の現場となったアパートの関係者の男性によると、白石容疑者は約2カ月前に入居した。父親から不動産会社に「すぐに入居したい」と電話があり、その後、容疑者本人が来店して契約したという。入居した2階の部屋はロフト付きのワンルームで、家賃は管理費込みで2万2000円だった。
この物件には、契約した月の家賃が無料になる「フリーレント」というサービスがあった。不動産会社が「月が変わってから契約した方が得ですよ」と説明したが、「割引を受けられなくてもいいから早く入居したい」と急いだ様子だったという。
契約時、白石容疑者は無職だったが「就職先は決まっている」と説明した。
アパートの1階に住む男性(40)は「30日の午後4時ごろに警察がきた。25、26歳ぐらいのひょろっとした男を見なかったか、知らないかと聞かれた。『女性の叫び声を聞かなかったか』とも聞かれた。引っ越しのあいさつなどはなかった」と話した。
白石容疑者の実家は座間市内の住宅街にある。近隣住民らによると、両親と妹の4人家族。近所の男性(84)は1年ほど前、白石容疑者の父親が「息子に彼女ができた」と話していたのを覚えている。子供の頃、雪だるまを作って遊ぶ姿を見かけたという。5年ほど前にも見かけたことがあり、「明るくていい子だったのに」と驚いていた。
別の30代男性は8月以降、深夜に実家の玄関先に座り込む白石容疑者を何度か見たという。「携帯をいじっているのかと思った。地味な感じだった」と言う。
実家の近くに住む女性は「事件が本当だとしたら、怖くて震えが止まらない」と話した。
(2017.10.31 毎日新聞)
10人目
南関東在住の介護士。彼女は神奈川県座間市のアパートから9人のバラバラ遺体が見つかった事件で逮捕された白石隆浩容疑者(27歳)と、逮捕直前まで52日間にわたって交際を続けていた。
今回の事件は、SNS上で「自殺志願」をしている女性を誘い出し、殺害したことで社会に衝撃を与えた。
彼女もまた、ツイッターで「死にたい」と漏らし、それに目をつけた複数の人間から接触を受けた。その一人に白石容疑者がいた。
彼女ら自殺志願者の間では、いかに「死」が身近な話題であったかということに驚かされるが、そうした不安定な心理につけこんだのが白石容疑者だった。もし、彼が逮捕されていなかったら、彼女が〝10人目の被害者〟となっていた可能性は極めて高い。
9月6日夜、私が自分のツイッターで「死にたいので一緒に死ねる方募集します」とツイートしたところ、『首吊り士』というアカウント名の彼から反応が来ました。
「一緒にどうですか。車と薬を持っています」
そこから少しダイレクトメッセージ(DM)でやりとりをした後、無料トークアプリでメッセージのやり取りや電話をするようになりました。
これ以降、逮捕される数日前まで、毎日のように彼とやり取りをしていました。私は彼に本名を伝えていましたが、彼から聞いていた名前は『りょう』でした。私はその名前で呼んでいた。
その後、名字も教えてほしいと言ったら、何度か断られたのですが、最終的に「山本だよ」と教えてくれた。本当かどうか疑わしかったけれど、年齢は25歳、町田市の黄色いロフト付きのアパートに住んでいる、という話でした。
今回の報道を最初に聞いたとき、もしかしてと思ったけれど、聞いていた名前とは違った。でも、(報道された)写真を見て同一人物だとわかったんです。
最初の会話は、「一緒に死にたい」という内容でした。私が死ぬことを怖がっていたら、次第に話は「死ぬのはいいから、一緒に住みたい」「会いたい」という内容に変わっていきました。
翌日以降、「近いうちに会えるかな」というメッセージが送られてくるようになった。
初めて彼と会話をしたとき、好青年というか、爽やかな声という印象を受けました。
彼も最初は私に敬語を使っていた。最初の通話では、「死にたいんですよね?」と聞かれ、私が、「はい、死にたいです」と答えた。
私はこれまでも「死にたい」というツイートをして様々な人とSNSを通じてやり取りをしたことがありますが、そのなかでも彼が一番熱心に語りかけてくれました。
初めての通話のとき、彼の電話口からシャワーの音というか、水が流れるポチャポチャという音が聞こえてきたことを覚えています。
「なんで水の音がするの」と聞くと、「何も水はいじっていないけど、なんで?」と返されました。そして彼からすぐに「この話は止めよう」と遮られた。
10月上旬頃から、彼が「好きだよ」「付き合えない?」と好意を伝えてくるようになりました。来年あたりに実際に会う約束をしていて、同棲しようという話も出ていた。
私は本当に病んでいたので、恋とかそういう気持ちはなかった。でも彼との間で、私が働いて彼が家のことをやるという形で同棲するという話はありました。
私はあまり本気ではなかったんですが、彼は悩みとかもよく聞いてくれていたので、とりあえず来年あたりに彼の家に遊びに行って、二人で長崎のハウステンボスに旅行しようねって話をしていたんです。
そんななか、10月中旬頃、彼から電話で「人を殺したことがある」と打ち明けられます。このとき、彼は淡々としていました。私は冗談かなと思ってあまり気に留めませんでした。
具体的には、「ホストで働いていたとき、キャバ嬢のお客さんがいてその子が病んでしまって『死にたい』と言っていたから殺した。殺したのは俺じゃなくて、違う男が殺したんだけど、遺体を埋めたのは俺なんだよね」と。
「遺体を埋めた場所はどうしたの?」と私が聞いたら、「その場所には俺もその後行っていないからわからない。でも警察から連絡も来ていないから多分バレていない」と言っていました。
この話を聞いた後、今度は「ある男の人に死にたいから殺してくれと頼まれ、その男の人から大金を貰って殺した」とも言っていました。「縄で首を絞めた」と。
数日後、「この前、人を殺したことがあると言ったじゃん。実は他にも殺しているんだよね」と言われました。この時の彼は真面目というか、少し思いつめているような話し方でした。
私は半信半疑で聞いていたので、あまり突っ込まなかったんです。嘘だと思っていたので、すぐに自分の話に切り替えちゃった。でもまさか本当に殺していたなんて……。もしかしたら彼は私に「本当のこと」を打ち明けたかったのかもしれません。
10月20日には、ロープの写真が送られてきたこともあります。私が、「なんでそんな写真送ってくるの」と返事をしたら、その後、「ごめんなさい。悪ふざけが過ぎたね」「もうやらない」と返ってきた。
私が嫌悪感を示すと、「わかった」「お願いだから嫌いにならないで」という返信もきました。
自殺を前提として始まった二人の関係は、急速に深まっていく。白石容疑者は自らの顔写真を送り、虚実を織り交ぜながら暮らしぶりを語り、具体的な殺害方法について話すようになったという。
本人の写真は顔のアップ1枚と、顔が写っていないものの2点です。すべて彼の部屋で撮ったものだそうです。彼は「自分の顔には自信がない」と話していました。私は「かっこいいね」と言いましたけど。
私とやり取りしている間、彼は「働いていない」「半年前まではホストをやっていた」と言っていた(実際はスカウトだった)。なぜ辞めたかは聞いていません。でも、「おカネがない」とはこぼしていましたね。
彼に「働かないの?」と聞いても、「働きたいけど、今は働き口がない」と。私が「スーパーとかのアルバイトはどう?」と勧めると、「いいかもね」って反応していました。でもその後は「やっぱり働く気になれない」って言っていました。
ただ、10月のある日を境に、彼が外食をするようになったんです。それまでは「おカネがないから、卵かけごはんや自分で作ったラーメンを食べている」と言っていたんですけどね。
10月後半頃になると、「俺におカネを渡してくれたら殺してあげる」と言うようになりました。「全財産を全部俺にちょうだい」って。「さすがにおカネは渡したくないな」って思いましたね。
電話ではよく「自殺するんだったら俺が殺したい」と言っていました。私が「りょう君が殺したら犯罪者になっちゃうから、他の人に殺されたほうがマシだよ」と言ったら、「他の人だと殺した後に性的暴行をする可能性がある。でも俺だったら殺した後、遺体をどこかに遺棄してあげるから、そういうことは絶対にしないよ」と言っていました。
彼は、「もし○○(女性の名前)が俺の家に来たら飲み物に睡眠薬を入れて、眠っている間に縄で殺ろうと思う」とも言っていました。
また、「○○が家に来て、くつろいでいるときに、後ろから縄で絞め殺したい」とも。本当に殺したそうな口調というか、熱心に語っている感じでした。
彼は「練炭自殺は止めたほうがいい。苦しいし、死ねなくて後遺症が残ることもあるから。首吊り、首絞めがいいんだ」って力説していました。私もずっと心を病んでいたので、「もう殺されたい」って感じでした。
時期はよく覚えていないのですが、彼と通話をしていたら、電話口から女性の声のような音が聞こえてきました。私が「後ろに誰かいるの?」と聞いたら、「誰もいないけど、なんで?」と。私は霊的なものがいるのではと、彼をからかったんです。
後日、私が再び「誰か後ろにいるよ」とメッセージを送ると、「だからそのネタはもういいよって言いたいところだけど、本当にいるかもね」という返信がありました。
今思うと、実際に部屋で人を殺していたから、部屋に霊がいるという話に乗ってきたんじゃないかなって思います。……洒落にならないですよね。
彼は「兄弟はいない。小さい頃に両親が離婚した」と言っていた(実際には妹がいる)。実家には当分帰っていないみたいで、「今は無職だし、何もしていない状態でクズのような人間だから(実家には)帰れないよ」と言っていました。
彼に「死にたいって思ったのは、いつくらいなの?」って聞いたら、「もともと暗い人間だったけど、高校2年生のときに自殺を考えていた。その頃は(学校で)机に突っ伏していた。
野球部やサッカー部とかの目立つような男子によく肩パン(肩にパンチ)をされて、それが本当に痛くて嫌だった。学校が嫌だった」と言っていました。
でも電話口では暗いトーンではなく、私の冗談に対して「ワッハッハ」という感じでよく笑っていましたね。本人も、「今まで暗い人間だったけど、ホストとかの仕事をしてから結構明るくはなった」と言っていた。
女性関係については、「俺は普通の子はダメなんだよね。精神的に弱い子がいい。元カノは多重人格みたいな病んだ子ばっかり。俺が病んでいるから、そういう子を引き寄せちゃうんだよね」と言っていました。
私は主に職場の人間関係のことなどを愚痴っていたのですが、彼からは「仕事辞めちゃいなよ。仕事辞めて、俺と一緒に住もうよ」「○○が悩んでいたら俺も辛いよ」ということを言われていました。
私は来年仕事を辞めることにしていて、それまで会うのは待ってほしいと彼に伝えていた。でも彼は「会いたい」としつこかった。一時期、そのしつこさから冷めてしまって、話すのをやめようと切り出したこともありました。でも結局、元に戻りました。
最後のやり取りは「洗脳」にまつわるものでした。以前、私が話したことがあったのですが、彼が興味を持ったみたいで、自宅で撮影したと思われる『洗脳の世界』(キャスリーン・テイラー著)という本の写真を送ってきました。
その後、10月27日に「ヒゲを全そりした」とメッセージが来た。翌々日に、私が返信したのが最後でした。
31日に報道を見て連絡しましたが、一切読まれていない状態です。
(「週刊現代」2017年11月18日号)