「祇園囃子」
1953年 大映
監督
溝口健二
出演
木暮実千代
若尾文子
浪花千栄子
進藤英太郎
撮影
宮川一夫
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祇園囃子 YOU TUBE
若尾文子もんち云えば「祇園囃子」はハズせないそーなんですが避けて通ってきました。深い理由はございません。
単にマジメそーで めんどくさそーで 退屈そーで 眠くなりそーやったからです
最近になってよーよー溝口健二ゆー人の映画を見始め
この時代やその後の時代の他の監督の皆さんと「あれ?何かが違う」とゆーのはわかるのですが
何が違うのか具体的に述べ連ねにくいのです
これは 有名人黒澤明にも云えることなのですが
何かタダモノではない人が作ってる感がハンパないのです
なんやしらんが 大き〜い感じ 天井が高くせせこましくない感じ
空気感とゆーんでしょうか そーゆー抽象的なことではわかりにくいですか
ウォームで人間的な体温がぬくぬくしてて
しかも現場には冷徹な掟的な戒律的な何かが張り巡らせれてある感じなのですな
流していない 寸秒も手抜き仕事をしない感です
とにかく せせこましくない 余裕仕事な感じなのです
マジメそーで めんどくさそーで 退屈そーで 眠くなりそーな先入観は全て払拭されました
一気に我を忘れて見入ってしまいました iPhoneのムービーでですけど
これが溝口手腕とゆーんですな 全く飽きさせませんがな
映画評とかに書かれてるんでしょ? 溝口ワールド的なあれ
めんどくさいので読んだことありませんが 溝口映画評論 ありましたよね?
ま溝口はヨイでしょう そーゆー偉い才能を持っおっさんが昔いたぞとゆーことで
別天地の別世界「山椒大夫」
若尾文子+京マチコ「赤線地帯」
田中絹代の帽子と入江たか子の眼鏡がタダモノではない「ある映画監督の生涯 溝口健二の記録」
溝口健二著作集クリエーター情報なしキネマ旬報社
何といいましても 1953年の若尾さんでありまんがな
若い カイラシイ若尾さんでんがな
しかも祇園の舞妓はんでんがな バリバリの京都弁でんがな
小生意気なぐらいにしっかりもんで天然も入っていて現代的で
あとは 見終わってから書きますけど
ほんで小暮美千代さんな 多分主役は小暮さんでっしゃろ
自分 おばはん お婆ちゃんになってからの小暮さんばっか見てたので印象は悪いん
ヒステリックでスカシてる糞ババア感があったんどす
でも ここでの小暮さんは違うね
イイですね 小暮さん とってもイイです
「そない云われてもどーにもなりまへんねんがな」的なやるせなさ感が抜群にヨイのです
パンパンのゴムボールがはねっ返ってきそーな1953年の若尾さんとは対照的にですな
ちょっと色んないらん苦労重ねてジクジクッとなってる感じがね
そんでから もう一人 糞ババア
そーだす オロナイン軟膏塗ってはりまっか? 浪花千栄子でございます
やり手ババア ゴッドババア しっかりしてはります 体幹がピーンと張ってはります
あと 進藤栄太郎どんが若尾さんのヨイヨイのおとん役です
このヨイヨイぶりが気色悪いぐらいにヨイヨイで 素ん晴らしいのでございます
で そのヨイヨイのおとんと同じ電車に乗り合わせて東京に行くとゆーとこから
お話が一気にオモシロくなっていきます
いい寄ってくる おっさんにムリヤリキッスをされた若尾さんが おっさんの舌を噛みはったんですな
血まみれのおっさんと若尾さんに小暮さんもビックリ
ついでに小暮さんも 別のおっさんを 御フリになられて
オロナイン浪花千栄子の怒り
怒り
二人はほされてしまいます
そして ようやく ここにきて この映画のテーマ 筒学 思想 がはっきり現れまんな
基本的人権はあるが 銭に困ったらエラそーなこと云えず 嫌いな奴のチンコも挿入しやんとあきまへん
大人やねんから
小暮さんは足袋を脱ぎます
足袋を脱ぐっつーんは 挿入OKの合図です
お三味線や ツツミ叩いてても あきません
やっぱし挿入さしてやらんと男衆は納得いかへんとゆーのが世の常
ああ無情ですな
今まで小暮さんの悪口ばっかしゆーて申し訳ありませんでした
素ん晴らしい女優様でした
この1953年の小暮さんを知るまで 全然その偉大さに気付いていませんでした
おねえちゃん ごめんなさい!
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