「モンスター」と「他人の顔」対決

「モンスター」

幻冬舎文庫

百田 尚樹



初☆百田もんである。人気作家さんらしー。
海賊がどーのこーのゆーんを借りたんだが　いまいちとっつけないので
簡単でキャッチーでスカスカな方から初めてみようと
つまんなければゴミ箱に捨てればイイんだし
映画版のはものすげーつまんなそーだしね
読み始めると一気にいける　つっかえたり　とっつきにくかったり感はゼロ
多分　文が巧いんだろー　人気者には理由がある

内容は昔からよくある　顔を変えてお礼参りする系
その頂点に位置するのは安部公房先生の「他人の顔」だが　
あちらは文学で　こちらは通俗小説　ジャンルが違う
でも類似点が多いので　比較対象してみましょう
どちらがどーとかゆー優劣は無い　どちらも優れていると僕は思います

「モンスター」の方は「他人の顔」ほどめんどくさくなく、サクサク進めるところがヨイ
云わんとするところや着地点は同じなのやもしれんが　小難しい言い回しや医学科学系学術表現や深遠なる内省等は全く無く、内容がスカスカな分　実にわかりやすくエンタテーメントしてくれている（これは悪口ではなく褒めているのです）　
物語の中に何度か訪れるカタルシスが気持ちイイ
「他人の顔」は捩れているので　そー簡単にカタルシスしてくれないので
そーゆーになるのは面倒臭い手続きをしなければならないのです
「モンスター」はその点　めんどーくささゼロです　簡素なカタルシスを求める向きにはとてもイイと思います
かといって通俗的過ぎてイイカゲンとゆーわけではなく　そんな馬鹿馬鹿しくもありませんし　女子的な顔面劣勢による恨みつらみや整形の進化過程はページを割いて懇切丁寧でわかりやすく記述されていて親切丁寧です

この歳になるとめんどーくさいのは　カラダがしんどいん　目が疲れる　頭が疲れる
実は　数ヶ月前から「他人の顔」を何度目かの読み返し始めているのですが
めんどーくさくて　つっかえ　つっかえとても時間がかかるのです
確かに悩み多大＆背伸びして賢そうに見せたいせんずり思春期には「他人の顔」の方が色々とグッとくることも多かったのでしょうが　５０を過ぎると　めんどくさい表現は割愛していただいて　ズバッと「モンスター」のようにエンタテーメントしていただいた方が
時間効率がヨイと思います



モンスター (幻冬舎文庫)クリエーター情報なし幻冬舎

他人の顔 (新潮文庫)クリエーター情報なし新潮社

勅使河原宏の世界 DVDコレクションクリエーター情報なし角川書店