青森・女性監禁死事件 「神と会話」と称する女に懲役15年の判決
2012年10月、青森市で31歳の女性が監禁され死亡した事件で、
青森地方裁判所は、41歳の女に懲役15年の判決を言い渡した。
「過去や未来が見える」、「神と会話ができる」などと、神になりすました女・斎藤真紀被告(41)。
青森市で、太田 しのぶさん(31)に、犬用の首輪をつけ、監禁・暴行死させた罪に問われていた。
斎藤被告は「神と話せる」と称し、14年ほど前に「明手会」という団体を組織した。
そのメンバーで、すでに実刑判決が確定している3人の男と共謀し、
太田さんの体をライターのオイルで焼くなど、暴行を繰り返して死亡させたという。
9日、青森地裁は「被告は、自らのいらだちを解消するために、共犯者に暴行を指示し、自らも暴行を加えるなど、責任は格段に重い」として、
被告が主張していた自殺や持病の可能性は否定し、暴行が唯一の死因と断定して、懲役15年の判決を言い渡した。
弁護側は、控訴するかどうかは、斎藤被告と相談して決めるという。
(FNN 2013年12月10日)
首輪事件懲役15年「人としての扱い否定」
「自らのいらだちのはけ口とした犯行の動機はあまりにも理不尽で身勝手だ」――。青森市のアパートで女性が首輪をつけられるなどの暴行を受けて死亡した事件の裁判員裁判。青森地裁は9日、傷害致死罪に問われた無職斎藤真紀被告(41)(青森市高田)に対し、「共犯者を巻き込み、犯行を首謀した。刑事責任は共犯者に比べ格段に重い」と指摘し、懲役15年(求刑・懲役20年)を言い渡した。
判決によると、斎藤被告は「神と会話できる」などとしてグループを作り、目標をクリアすることで「神の力」を増やすと言ってゲームやパチンコなどに興じる一方、会員から多額の金を集めていた。暴行は死亡した太田しのぶさん(当時31歳)の言動にいらだったことがきっかけで、斎藤被告は神を演じ、他の男3人(懲役12〜9年の判決が確定)とともに多数回、金属製警棒で殴るなどして死亡させた。
判決は太田さんが犬用の首輪をつけられた点にも触れ、「人としての扱いまでも否定される屈辱の中で、孤独の死を遂げた」とその無念さを代弁した。
弁護側は暴行のきっかけの一つとして「太田さんが大金を盗んだと告白した」と主張したが、判決は「太田さんは無理やり認めさせられた」と退け、「被害者に責められるべき事情はなかった」と認定した。
さらに、斎藤被告が「(太田さんは)自殺したと思う」と主張した点についても「あまりに不自然、不合理で明確に否定できる」と断じ、暴行が「唯一の死因」とした。
判決は懲役20年の求刑に対し、「共犯者らとの刑の均衡などを勘案した」として同15年とした。
斎藤被告は立ったまま終始うつむき加減で判決に聞き入った。言い渡しの後、武田裁判長が「自らのしたことを、他の人の目から見て反省できる大人になってください」と諭すと小さく「はい」と答え、退廷前に「ありがとうございました」と述べ、一礼した。
(2013年12月9日 読売新聞)
女性首輪暴行死、被害者とその両親が悪いと被告
青森市八ツ役のアパートで昨年10月、太田しのぶさん(当時31歳)が犬用の首輪につながれるなどの暴行を受けて死亡した事件で、傷害致死罪に問われた男女4人のうち青森市高田、無職斎藤真紀被告(41)の裁判員裁判第9回公判が28日、青森地裁(武田正裁判長)であった。
被告人質問と太田さんの両親への証人尋問が行われた。
斎藤被告は、裁判員から事件の責任について問われると「私たちも悪かったが、太田さんも、太田さんの両親も悪かった。順番は付けられない」と主張した。
これに対し、太田さんの父親は証人尋問で「なぜしのぶが悪い。なぜ親が悪い。一番悪いのはお前だ」と反論。母親も「地獄の底まで追いかけてやる」と怒りをあらわにした。
(2013年11月29日15時24分 読売新聞)
首輪監禁女性死亡:「活動の9割ゲーム」 公判で被告「明手会」の実態供述 青森
青森市内のアパートで昨年10月、首輪で拘束された太田しのぶさん(当時31歳)が遺体で見つかった傷害致死事件で、21日の青森地裁での第6回公判で小形将人被告(38)の被告人質問が行われ、事件の舞台となった団体「明手会(みょうしゅかい)」について「活動の9割は(テレビ)ゲームだった」と供述した。
明手会1件は1999年ごろ設立で、発足メンバーの小形被告は「最初はクリスマスや正月に遊ぶ仲良しグループだった」と説明。しかし、数カ月たったころ、「神と話せる」と自称していたリーダー格の斎藤真紀被告(41)が悩みを持つ会員に「悪霊払い」をし始めて変質。斎藤被告が「私の力だけでは足りない。ゲームで高得点を出して神の力を大きくして」と指示し、人気ゲーム「バイオハザード」などの「悪魔」と戦うゲームやパチンコで高得点を目指す活動になった。また、「体を大きくすればより力がもらえる」として会員に体重を増やすよう要求していたという。太田さんも会員の1人で、小形被告は「一歩後ろから見守るおとなしい人だった」と話した。
この日は太田さんと同居していた桑野貴志被告(39)の母親も出廷。逮捕前の斎藤被告から「太田さんは自殺の可能性がある」と説明されたと明かした。また、桑野被告は太田さんとの結婚を考えていたという。
(2013年10月22日 毎日新聞)
明手会(みょうしゅかい)
青森首輪監禁暴行死事件
2012年10月、青森市内のアパートの一室で
主犯格の被告・斎藤真紀(41)と桑野貴志被告(39)、小形将人被告(38)、蝦名勝俊被告(39)の三名が
太田 しのぶ(31)をおよそ半月もの長期にわたり暴行を繰り返し殺害した事件
太田さんは、犬用の首輪とワイヤで、台所につながれて監禁され、体には60カ所を超える暴行の痕が残されていた。
同じアパートの住民は「ものすごく女の人の大きい声はしたんだよ。話すっていうか、けんかみたいな。1時間ぐらいやっていたんじゃない? バトルを」と話した。
この事件で、傷害致死の罪に問われている桑野貴志被告(39)、小形将人被告(38)、蝦名勝俊被告(39)の3人に対する判決公判が、5日、青森地裁で開かれた。
5日の法廷で、「被告人3人は、およそ半月もの長期にわたり、無抵抗の被害者に対し、すりこぎ棒や特殊警棒で殴りつける、ライターオイルをかけて、火をつけるなどの暴行を、多数回繰り返した」と読み上げられた。
この残忍な犯行の背景には、「神と話ができる」と称する、同じ傷害致死の罪に問われている斎藤真紀被告(41)の存在があった。
斎藤被告は、1999年ごろに、「明手会」という団体をつくり、桑野被告や太田さんらが入会した。
斎藤被告は、「神の声が聞こえる」などと話し、テレビゲームを一定の条件でクリアしたり、パチンコで大当たりを出すことで、「悪霊を倒すことができる」などと信じ込ませていたという。
明手会の中では、斎藤被告と蝦名被告、桑野被告と太田さんがそれぞれ交際していたが、やがて、太田さんに暴力をふるったり、金銭を要求するようになったという。
桑野被告らは、裁判で、「太田さんへの暴力は、斎藤被告の指示によるもので、逆らうことができなかった」などと主張していた。
5日の判決公判で、青森地裁は、「被害者の人としての尊厳を踏みにじる、極めて陰惨で残忍なものと言うほかない」とした。
小形被告と蝦名被告に懲役12年、桑野被告に懲役9年の実刑判決をそれぞれ言い渡した。
全裸女性を首輪で監禁した男 小学生時代のあだ名は「納豆」
10月5日、青森県八ツ役のアパートの台所でA子さん(31)が全裸で亡くなっているのが見つかった。110番通報したのは、部屋の主であるトラック運転手の桑野貴志容疑者(逮捕時38)。ところが遺体の近くには、南京錠で固定された2メートルほどのワイヤと犬用の首輪があった。青森警察署は桑野容疑者がA子さんを拘束していたとみて、逮捕監禁の容疑で緊急逮捕した。
愛知県で育った桑野容疑者は、小学校のときに岩手県大船渡市に転校した。当時のあだ名は「納豆」だったという。ここで桑野容疑者は高校まで過ごした。高校の卒業アルバムではほぼ全員が仮装しているが、桑野容疑者は女装して写っている。
「中学高校とバレー部で、ポジションはセッター。身長は高くなかったけれど、運動神経はよかったです。勉強は普通。彼女はいませんでした。卒業後は仙台の専門学校に進み、青森で航空関係の仕事をしていたと聞いてます。しかし、5年ほど前に地元で同窓会をしたときには、無職でした。一度結婚したが離婚したと、そのとき聞かされました」(高校のバレー部での友人)
トラック運転手を始めたのは2年ほど前からだった。運送会社の関係者によると、無断欠勤や遅刻もなく、勤務態度は普通。雑談もするし明るい性格だったが、下ネタにはあまり乗ってこなかったそうだ。「彼女はいるの?」と尋ねると「いない」と答えていたようだ。
会社でまじめな顔を見せる一方で、桑野容疑者は、約1年前からA子さんと同居生活をしていたと供述している。そして13日には、青森県内に住む小形将人(37)、蛯名勝俊(38)、女性の斎藤真紀(40)の3容疑者が共犯の容疑で逮捕された。3人は桑野容疑者とA子さんの共通の友人だという。拘束していた犬の首輪は、事件前日に桑野容疑者と女性が市内の量販店で購入したものだったというが、この女性が誰なのかは分かっていない。
A子さんの体には複数の外傷があった。致命傷となる大きな傷はなかったが、傷が原因で多臓器不全を起こし亡くなったとみられている。桑野容疑者は「A子さんの自傷を防ぐために拘束した」と供述しているが、青森警察署は4人が暴行し、A子さんを死亡させた可能性を含め、慎重に捜査を進めている。
(週刊FLASH 10月30日号)
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