クリーブランド監禁事件
2013年5月6日、クリーブランド市シーモア通り2207番地の家から助けを求めて叫ぶ女性の声に近所の住民が気づいた。若い女性が家から脱出しようともがいていたため、住民がドアを蹴破って助け出したところ、女性と幼女が出てきた。
女性は隣家から警察に電話し、16歳だった2003年4月21日の仕事帰りにヒスパニック系の男に誘拐され、監禁されていたと語り、他にも被害者がいると通報。警察が駆けつけ、52歳の男を逮捕した
同家から救出された他の2名の被害者も、長年行方不明になっていた女性とわかった。ひとりは、21歳の2002年8月23日に、もうひとりは14歳の2004年4月2日に同じ犯人によって誘拐され監禁されていた。
容疑者宅は、被害者たちの自宅から約5kmの位置にあり、行方不明時には容疑者自身が捜索のボランティアもしていた。
クリーブランド監禁事件で禁錮1000年のアリエル・カストロ受刑者が自殺 2013年09月05日
見つかった女性らの名前は、
アマンサ・ベリー(27)、
ジーナ・デジジャス(23)、
ミシェル・ナイト(32)。
彼女らをはじめて発見した隣人のチャールズ・ラムジー氏は、「一人の女性が、割れたドアの隙間から手を差し伸べ、悲鳴を上げながら、出てこようと、狂ったように振舞っているのを目にし、近づいてみたところ、泣きながら警察につれててほしいといわれた」と話した。ラムジー氏が門を開けると、この女性は、一人の小さい少女をつれて出てきては、その足で、隣の住宅に行って、911に電話をかけた。この女性がベリー氏だった。
警察が公開した録音ファイルには、彼女が極端に興奮した声で、「私はアマンサ・ベリーです。私は連れ去られ、10年間閉じ込められていました。今、抜け出したが、拉致犯が戻ってくる前に、早く助けてください。その家にはほかの女性もいます」と叫ぶ声が入っている。
ロイター通信は、ベリー氏が、「10年間ニュースに出てきた人だ」と明らかにし、監禁されている間、自分の失踪をメディアが大きく扱っていたことを知っていたものと見られると伝えた。通報を受けて駆けつけてきた警察は、ベリー氏が脱出した家で、デジジャスとナイト氏も見つけた。彼女らが監禁されていた住宅は、行方不明となった場所からわずか数マイルしか離れておらず、衝撃を与えている。
警察は、3人の女性を拉致監禁した容疑で、ヒスパニック系のアリエル・カストロ容疑者(52)や兄弟関係の50、54歳の男、3人をその場で逮捕した。カストロ容疑者の叔父は、彼が公立学校のバス運転手だったと話した。隣人らは、カストロ容疑者は隣人ともまったく変なところがないまま、付き合ってきたし、ギターもうまく弾く平凡な隣人だったと証言した。警察は、これらの兄弟らが、女性らを拉致した動機などについて取り調べている。
ベリー氏は、17歳の誕生日を翌日に控えていた03年4月21日、ファーストフード店のバーガーキングでの仕事を終え、帰宅していたところ行方不明となった。デジジャス氏は、14歳の04年4月2日、学校から帰る途中、いなくなった。ナイト氏は、21歳の02年8月23日、おいの自宅で最後に目撃されたあと、姿を見せなくなった。
幼いときに行く目不明となったベリーとデジジャス氏の物語は、これまで多く報道され、彼女らを探そうとする努力が続けられてきた。今年1月は、ある刑務所の囚人が、行方不明となったベリー氏の遺体について、うその埋葬情報を提供した容疑で、4年6ヶ月を言い渡されたこともある。
ナイト氏の行方不明は、メディアでは大きく取り扱わなかったという。警察は、彼女が家出した可能性に重みを置いていたからだ。彼女らの家族らはいままで、娘を探してさまよい、ベリー氏の母親は、娘がいなくなった衝撃で、06年、47歳で死亡した。
現在、3人の女性は、病院で健康診断を受けており、健康には大きな支障がないという。警察は、ベリー氏が連れて出てきた6歳の女の子が、誰の娘かは明らかにしていない。被害女性の一人が監禁された期間に出産したという見方も出てきており、衝撃を与えている。