STAP細胞、提供マウスと一致せず 共著の教授が解析
STAP細胞論文の不正問題で、共著者の若山照彦・山梨大教授が16日、大学で記者会見を開いた。
研究室に保管していた細胞の遺伝子を解析した結果、
理化学研究所の小保方晴子ユニットリーダーがマウスから作製したとされるSTAP細胞は、
研究室には存在しないマウスからつくられていたと明らかにした。
若山教授は論文の撤回を呼びかけた3月中旬以降、
研究室に保管していた細胞の解析を第三者機関に依頼していた。
STAP細胞は、若山教授が理研発生・再生科学総合研究センター(CDB)のチームリーダーを務めていたころに、
当時、客員研究員だった小保方晴子ユニットリーダーに、研究室で飼育していたマウスを提供し、
小保方氏がSTAP細胞を作製したことになっていた。
若山教授はこの細胞をもとに、無限に増える能力があるSTAP幹細胞を複数回作製した。
最初につくられ、論文にも記載されたSTAP幹細胞については、マウスの系統は一致したものの、
人工的に入れた遺伝子の特徴が違うなど、研究室では飼っていない種類のマウスであることがわかった。
その数カ月後につくった別のSTAP幹細胞については、
STAP細胞と比較するために研究室でつくったES細胞と遺伝子の特徴が一致していた。
ES細胞は学生が小保方氏に渡していた。このSTAP細胞は、ES細胞だった可能性を示している。
(朝日新聞デジタル 6月16日)
小保方晴子さん守護霊インタビュー それでも「STAP細胞」は存在する (OR books)クリエーター情報なし幸福の科学出版
<STAP細胞>「あったらいいなの夢があった」若山教授
「夢の万能細胞」の存在を裏付けるデータは、ついに出てこなかった。
「予想していた中で最悪の結果。ショックだった」。
STAP細胞由来の幹細胞の解析結果について、16日に記者会見した若山照彦・山梨大教授(47)の表情には、戸惑いと疲れがにじんだ。
「あったらいいなという夢があった」と、若山氏は2時間半に及ぶ記者会見で、何度かSTAP細胞への思いを口にした。だが、素晴らしい成果と信じていた論文には次々と疑義が浮かび、今年3月には撤回を呼びかけることになった。「撤回はつらい判断。絶対やりたくないことだが、そうしない限り研究者として生きていけないかもしれないと思った」と苦渋の決断だったことを明かした。
かつて実験成功の喜びを分かち合った理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(CDB)の小保方(おぼかた)晴子・研究ユニットリーダー(30)には「僕はできる限りのことをしてきた。自身で問題解決に向けて行動してほしい」と呼びかけた。一方、「自分は不正には関与していない」ときっぱり言い切った。
小保方氏や、論文の責任著者を共に務めた笹井芳樹・CDB副センター長が、4月の記者会見などで若山氏に責任を転嫁するかのような発言を繰り返したことに、若山氏は「僕に全部押しつけられるんじゃないかという恐怖感があった」と振り返り、自らの潔白を証明する気持ちから、今回の細胞の解析を依頼したことを明かした。
また、小保方氏から「若山氏が責任著者となり、若山氏の指導の下で作った」と指摘された「レター」と呼ばれる論文について、「笹井氏が執筆し、自分自身も理解できないような難しい内容になり、再現実験も成功できなかった。このため、昨年8月に責任著者から外してほしいと笹井氏に伝えた」と話した。笹井氏が引き留め、自身も「少し魅力を感じて」残ることになったという。
小保方氏の実験のずさんさをチェックできなかったことには、「僕が最初にSTAP細胞が何かということを確認し、うのみにせずに実験ノートを確認していれば防げたと思う」と後悔の言葉を繰り返した。小保方氏を「チャールズ・バカンティ米ハーバード大教授の右腕という触れ込み」で紹介されたことなどから、「ノートを見せなさいとは言えなかった」と釈明した。公開された小保方氏の実験ノートの感想を問われると、「実験ノートは研究者にとって命の次に大事なもの。細かい情報が書かれていないのは信じられない」と不信感をあらわにした。
小保方氏がSTAP細胞を「200回作った」と発言したことについては「200回やるなら、マウスが1000匹くらい必要だが、僕の研究室で提供できる数ではなかった。小保方さんはマウスに詳しくなかったので、そういう発言をしたのだと思う」と言葉を選びながら分析した。
理研は、現在は雇用関係にない若山氏への処分はしない予定だが、若山氏は「僕自身で処分を決めるつもり」と、理研の懲戒委員会の結論が出た後、自ら山梨大に処分を申し出る意向を示した。
(毎日新聞 6月16日)
若山 照彦(1967年4月1日 - )
1990年茨城大学農学部畜産学科育種繁殖学専攻を卒業。
1992年茨城大学大学院農学研究科畜産学専攻修士課程修了。
1996年東京大学大学院農学生命科学研究科獣医学専攻博士課程修了
冷凍庫内に「ES」記載容器
理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーらが使っていた研究所内の冷凍庫から「ES」と書かれたラベルを貼った容器が見つかり、中の細胞を分析したところ共同研究者の若山教授の研究室で保存されていた、STAP細胞を培養したものだとする細胞と遺伝子の特徴が一致したとする分析結果がまとまっていたことがわかりました。
理化学研究所の関係者によりますと、分析結果をまとめたのは、小保方リーダーが所属する神戸市の理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの研究者らのグループです。
それによりますと、センター内にある小保方リーダーらが使っていた冷凍庫の中から「ES」と書かれたラベルを貼った容器が見つかり、中にあった細胞の遺伝子を詳しく分析しました。
その結果、この細胞には、15番目の染色体に緑色の光を出す遺伝子が入っている特徴のあることがわかったということです。
共同研究者の若山照彦山梨大学教授は16日記者会見を行い、小保方リーダーが作製したSTAP細胞を、培養したものだとする細胞を分析した結果、
緑色の光を出す遺伝子が、15番染色体に組み込まれていて、
これまで若山教授の研究室で小保方リーダーがSTAP細胞の作製に使っていたマウスの細胞とは、
特徴が異なることがわかったと発表しています。
今回の分析結果について、理化学研究所は「小保方研究室で見つかったESと書かれたラベルの細胞とSTAP細胞から作ったという細胞の特徴が一致したのは事実だ。
これだけでSTAP細胞がES細胞だったと結論付けることはできないが、今後さらに詳しく検証を進めていきたい」とコメントしています。
(NHK NEWSWEB 6月16日 )
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