「妻に言われて殴ったり庭に埋め白骨化待ったり」中尾伸也容疑者（４７）

＜筑後殺人＞従業員暴行「妻の指示」　容疑の夫供述

福岡県筑後市でリサイクル店を経営していた中尾伸也容疑者（４７）と妻知佐容疑者（４５）が、従業員を殺害した疑いで逮捕された事件で、伸也容疑者が被害者の日高崇さん（当時２２歳）を「妻に言われて殴った」と供述していることが、捜査関係者への取材で分かった。日高さんは１カ月以上暴行を受けて死亡したとされ、県警筑後署捜査本部は暴行が長期に及んだ経緯を詳しく調べる。

両容疑者は共謀して、２００４年５月上旬ごろから、日高さんの顔や頭部を殴ったり背中を蹴ったりして、同年６月下旬ごろ殺害したとして逮捕された。

　県警によると、日高さんは０３年８月からリサイクル店で働き、同年１２月から両容疑者のアパートに複数の従業員と住み込んだ。そこで日常的に暴行を受けたとみられる。

　元従業員の関係者によると、知佐容疑者は店の商品の家具にほこりがついているだけで従業員を何時間も怒鳴り続けるなど、気性が激しかったという。日高さんが両容疑者から交際相手の名義で借金をさせられていたとの親族らの証言もあり、捜査本部は動機を追及する。

　一方、伸也容疑者が、日高さんとは別の行方不明者１人についても「死亡している」と供述していることも、捜査関係者への取材で分かった。両容疑者の周辺では、日高さん以外に、別の男性従業員や、知佐容疑者の妹の夫と長男の少なくとも３人が行方不明になっている
　福岡県警は１７日、中尾伸也、知佐両容疑者を福岡地検に送検した。また、殺害されたとされる日高崇さん（当時２２歳）の母親が同日、福岡県警を通して直筆のコメントを出した。内容は次の通り。

　私は息子が出て行ったと聞かされて１０年間生きていると信じて待っていました。しかし亡くなったという事実を知ることになり悲しみに暮れております。今はそっとしておいてほしいと思っております。（



(毎日新聞 6月18日)


「庭に埋め白骨化待った」＝砕いて川に―元従業員殺害で容疑者・福岡県警

福岡県筑後市のリサイクルショップ経営中尾伸也容疑者（47）夫婦が元従業員を殺害したとして再逮捕された事件で、同容疑者が「実家の庭に遺体を埋め、白骨化するのを待った。その後、骨を砕いて川に捨てた」と供述していることが17日、捜査関係者への取材で分かった。
　
県警筑後署捜査本部は、事件の発覚を免れるために人目の付きにくい場所に遺体を長期間隠し、身元を分かりにくくした上で遺棄したとみて調べている。
　
中尾容疑者と妻の知佐容疑者（45）は2004年6月に元従業員の日高崇さん＝当時（22）＝に暴行を加え、殺害したとして逮捕された。
　
捜査関係者によると、中尾容疑者は「筑後市内の実家の庭に遺体を埋め、白骨化するのを待った。その後、遺体を掘り出して骨を砕き、近くの川に捨てた」と供述。県警が調べたところ、庭から日高さんの骨の一部が見つかった。
　
中尾容疑者の実家は田園地帯の道路沿いにあるが、庭は建物の裏側にあるため外からは見えにくくなっている。捜査本部は同容疑者らが当時住んでいた市内のアパートで日高さんを殺害し、遺体を運んだとみている。　

（時事通信 6月18日)