児童ポルノ所持も禁止=来年7月から罰則適用―改正法成立
子どものわいせつな写真を個人で鑑賞用に保管するなど「単純所持」を新たに禁止する改正児童ポルノ禁止法が18日午前の参院本会議で、
与党と、共産党などを除く野党の賛成多数で可決、成立した。
既に所持している人に自主的な廃棄を促すため、7月に想定される改正法施行から1年間は罰則を適用しないと定めている。
改正法は、自己の性的好奇心を満たす目的で児童ポルノを所持した者に、1年以下の懲役か100万円以下の罰金を科す。
他人から一方的に電子メールで送り付けられたケースなどを処罰対象から外すため、
「自己の意思に基づいて所持するに至った者」との要件も設けた。
また、児童ポルノの定義が不明確との指摘があったことから、
「衣服の全部または一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させまたは刺激するもの」
との表現に、より具体的な記述を追加した。
(時事通信 6月18日)
児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律案要綱
第一 児童ポルノの定義の明確化等
一 児童ポルノ等の定義からの学術研究の用に供するものの除外(第二条第三項並びに新第七条第一項及び第三項関係)
児童ポルノ及びこれに係る電磁的記録等の定義から「専ら医学その他の学術研究の用に供するもの」を除くこと。
二 児童ポルノの定義の明確化(第二条第三項第二号及び第三号関係)
いわゆる二号ポルノの定義を「他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって殊更に性欲を興奮させ又は刺激するもの」に、いわゆる三号ポルノの定義を「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、殊更に性欲を興奮させ又は刺激するもの」に改めること。
第二 適用上の注意規定の明確化等
一 適用上の注意規定の明確化(第三条第一項関係)
この法律の適用に当たっては、学術研究、文化芸術活動、報道等に関する国民の権利及び自由を不当に侵害しないように留意し、児童に対する性的搾取及び性的虐待から児童を保護しその権利を擁護するとの本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用するようなことがあってはならないものとすること。
二 解釈規定の新設(第三条第二項関係)
この法律のいかなる規定も、架空のものを描写した漫画、アニメーション、コンピュータゲーム等を規制するものと解釈してはならないものとすること。
第三 児童ポルノ等取得罪の新設等
一 児童ポルノ等取得罪の新設(新第七条第一項及び第十条関係)
1 みだりに、児童ポルノを対償を供与し又はその供与の約束をして反復して取得した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処するものとすること。みだりに、これに係る電磁的記録等を対償を供与し又はその供与の約束をして反復して取得した者も、同様とすること。
2 1に係る国民の国外犯は、これを処罰するものとすること。
二 児童ポルノ製造罪の処罰範囲の拡大(新第七条第四項関係)
提供目的以外の児童ポルノの製造の罪について、意図的に児童に一定の姿態をとらせて製造した場合に限らず、盗撮等の場合にも処罰範囲を拡大すること。
第四 心身に有害な影響を受けた児童の保護に関する制度の充実及び強化
一 心身に有害な影響を受けた児童の保護のための措置を講ずる主体及び責任の明確化(第十五条関係)
心身に有害な影響を受けた児童の保護のための措置を講ずる主体として、厚生労働省、法務省、都道府県警察、児童相談所及び福祉事務所を例示し、措置を講ずる主体及び責任を明確化すること。
二 心身に有害な影響を受けた児童の保護に関する施策の検証等(新第十七条関係)
1 社会保障審議会及び犯罪被害者等施策推進会議は、相互に連携して、児童買春の相手方となったこと、児童ポルノに描写されたこと等により心身に有害な影響を受けた児童の保護に関する施策の実施状況等について、当該児童の保護に関する専門的な知識経験を有する者の知見を活用しつつ、定期的に検証及び評価を行うものとすること。
2 社会保障審議会又は犯罪被害者等施策推進会議の厚生労働大臣又は関係行政機関に対する意見具申及び意見具申があった場合の厚生労働大臣又は関係行政機関が講ずる措置に関する規定を置くこと。
第五 施行期日等
一 施行期日(附則第一条関係)
この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行すること。
二 罰則に関する経過措置(附則第二条関係)
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例によること。
三 条例との関係(附則第三条関係)
1 地方公共団体の条例の規定で、児童ポルノを取得し、又は所持する行為、これに係る電磁的記録等を取得し、又は保管する行為等を処罰する旨を定めるものの当該行為に係る部分は、この法律の施行と同時に、その効力を失うものとすること。
2 1により条例が効力を失う場合において、当該地方公共団体が条例で別段の定めをしないときは、その失効前にした行為の処罰については、なお従前の例によること。
四 その他
その他所要の規定の整備を行うこと。
子どものわいせつな写真を個人で鑑賞用に保管するなど「単純所持」を新たに禁止する改正児童ポルノ禁止法が18日午前の参院本会議で、
与党と、共産党などを除く野党の賛成多数で可決、成立した。
既に所持している人に自主的な廃棄を促すため、7月に想定される改正法施行から1年間は罰則を適用しないと定めている。
改正法は、自己の性的好奇心を満たす目的で児童ポルノを所持した者に、1年以下の懲役か100万円以下の罰金を科す。
他人から一方的に電子メールで送り付けられたケースなどを処罰対象から外すため、
「自己の意思に基づいて所持するに至った者」との要件も設けた。
また、児童ポルノの定義が不明確との指摘があったことから、
「衣服の全部または一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させまたは刺激するもの」
との表現に、より具体的な記述を追加した。
(時事通信 6月18日)
児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律案要綱
第一 児童ポルノの定義の明確化等
一 児童ポルノ等の定義からの学術研究の用に供するものの除外(第二条第三項並びに新第七条第一項及び第三項関係)
児童ポルノ及びこれに係る電磁的記録等の定義から「専ら医学その他の学術研究の用に供するもの」を除くこと。
二 児童ポルノの定義の明確化(第二条第三項第二号及び第三号関係)
いわゆる二号ポルノの定義を「他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって殊更に性欲を興奮させ又は刺激するもの」に、いわゆる三号ポルノの定義を「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、殊更に性欲を興奮させ又は刺激するもの」に改めること。
第二 適用上の注意規定の明確化等
一 適用上の注意規定の明確化(第三条第一項関係)
この法律の適用に当たっては、学術研究、文化芸術活動、報道等に関する国民の権利及び自由を不当に侵害しないように留意し、児童に対する性的搾取及び性的虐待から児童を保護しその権利を擁護するとの本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用するようなことがあってはならないものとすること。
二 解釈規定の新設(第三条第二項関係)
この法律のいかなる規定も、架空のものを描写した漫画、アニメーション、コンピュータゲーム等を規制するものと解釈してはならないものとすること。
第三 児童ポルノ等取得罪の新設等
一 児童ポルノ等取得罪の新設(新第七条第一項及び第十条関係)
1 みだりに、児童ポルノを対償を供与し又はその供与の約束をして反復して取得した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処するものとすること。みだりに、これに係る電磁的記録等を対償を供与し又はその供与の約束をして反復して取得した者も、同様とすること。
2 1に係る国民の国外犯は、これを処罰するものとすること。
二 児童ポルノ製造罪の処罰範囲の拡大(新第七条第四項関係)
提供目的以外の児童ポルノの製造の罪について、意図的に児童に一定の姿態をとらせて製造した場合に限らず、盗撮等の場合にも処罰範囲を拡大すること。
第四 心身に有害な影響を受けた児童の保護に関する制度の充実及び強化
一 心身に有害な影響を受けた児童の保護のための措置を講ずる主体及び責任の明確化(第十五条関係)
心身に有害な影響を受けた児童の保護のための措置を講ずる主体として、厚生労働省、法務省、都道府県警察、児童相談所及び福祉事務所を例示し、措置を講ずる主体及び責任を明確化すること。
二 心身に有害な影響を受けた児童の保護に関する施策の検証等(新第十七条関係)
1 社会保障審議会及び犯罪被害者等施策推進会議は、相互に連携して、児童買春の相手方となったこと、児童ポルノに描写されたこと等により心身に有害な影響を受けた児童の保護に関する施策の実施状況等について、当該児童の保護に関する専門的な知識経験を有する者の知見を活用しつつ、定期的に検証及び評価を行うものとすること。
2 社会保障審議会又は犯罪被害者等施策推進会議の厚生労働大臣又は関係行政機関に対する意見具申及び意見具申があった場合の厚生労働大臣又は関係行政機関が講ずる措置に関する規定を置くこと。
第五 施行期日等
一 施行期日(附則第一条関係)
この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行すること。
二 罰則に関する経過措置(附則第二条関係)
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例によること。
三 条例との関係(附則第三条関係)
1 地方公共団体の条例の規定で、児童ポルノを取得し、又は所持する行為、これに係る電磁的記録等を取得し、又は保管する行為等を処罰する旨を定めるものの当該行為に係る部分は、この法律の施行と同時に、その効力を失うものとすること。
2 1により条例が効力を失う場合において、当該地方公共団体が条例で別段の定めをしないときは、その失効前にした行為の処罰については、なお従前の例によること。
四 その他
その他所要の規定の整備を行うこと。