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Channel: すそ洗い 
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沼田まほかる/テンガロンハット

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アマゾンさんで1円+送料で入手でける厭な話の本を4冊ほど注文していたが
届くまで我慢がでけんので通勤中の通り道(ここ大事)で入手でける厭な話の本を購入
流行作家・沼田まほかるの短編「痺れる」
現代流行作家とゆーだけあって読みやすくサクサク進む
それほど後味が悪く不穏感も薄めでありますが
今までの読み物と何か違う感じがありヨイです
グレーゾーンなんですな
世の中 黒か白かはっきりしないグレイの方が多いやないですか
嫌いなヒトか好きなヒトか 厭な人間関係かヨイ人間関係か ここいらへんがグレーなもんが多い
快と不快 SとMもこのグレーゾーンが多いと思います
そこいらへんの按配を書かれてある読み物ってあんまし無かった気がするんです

「林檎曼荼羅」
「レイピスト」
「ヤモリ」
「沼毛虫」
とザクサク進めて

「テンガロンハット」に辿り着いた時、一気にお気に入りになりました
この「テンガロンハット」とゆーお話にズッキュンと胸を突き刺されました
実に 実に味わい深い(不快)イイお話
モチロン快とも不快ともいえずグレーゾーンで
厭とも良ともいえないグレ~ゾーンの人間関係
SともMとも云えない関係性
ただ 姉のイッちゃんはドSである。山田さんの顔に糊のスプレーぶちかますなんて よく思いついたもんだなと感動さえしました
ツーちゃんのどっちつかずの性格もヨイ
決着はオープニング同様 洗濯バサミに絡まった頭髪とゆーので着くのも見事だ

親切なおじさん(山田さん)→居ついて帰らない闖入者(山田さん)になり→ドSな姉の登場と山田さんの対決
→戦いに敗れた山田さん(鬘にテンガロンハット使用)が黄昏てる姿
このスリリングなジェットコースター的展開とカタルシス
名作である

この「テンガロンハット」は小説宝石2007年6月号に発表されました

痺れる (光文社文庫)クリエーター情報なし光文社


沼田 まほかる(1948年- )大阪府出身、奈良県在住

九月が永遠に続けば(2005年1月 新潮社 / 2008年2月 新潮文庫)
彼女がその名を知らない鳥たち(2006年10月 幻冬舎 / 2009年10月 幻冬舎文庫)
猫鳴り(2007年8月 双葉社 / 2010年9月 双葉文庫)
アミダサマ(2009年7月 新潮社 / 2011年11月 新潮文庫)
痺れる(2010年4月 光文社 / 2012年8月 光文社文庫)
収録作品:林檎曼陀羅 / レイピスト / ヤモリ / 沼毛虫 / テンガロンハット / TAKO / 普通じゃない / クモキリソウ / エトワール
ユリゴコロ(2011年4月 双葉社 / 2014年1月 双葉文庫)

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