早朝訪れ「殺してやる」＝金銭トラブルの印鑑店で－包丁持ち逮捕の男・愛知３人死亡
「お前のせいで家族がぐちゃぐちゃになった。殺してやる」
銃刀法違反容疑で逮捕された愛知県豊田市の松井芳治容疑者（６５）は２６日早朝、
同県岡崎市の印鑑店を訪れ、経営者の妻に包丁を突き付けた。
両者間に金銭トラブルがあったといい、大声でわめく同容疑者を駆け付けた警察官が取り押さえた。
印鑑店経営者の妻によると、
死亡したとみられる松井容疑者の妻あや子さん（６５）とは約３５年前に知り合い、
約３０年前から金銭を貸し付けるようになった。
一部は返済されておらず、今年３月に同容疑者夫婦と交渉。
同容疑者はこの際に初めて事態を知った様子だったといい、「死んでもお返しします」などと話したという。
その後、同容疑者からの連絡はなかったが、
２６日午前６時４０分ごろ、
店の前にいきなり現れた同容疑者がかばんの中から包丁を取り出し、
「殺してやる」「妻の病気はお前のせいだ」などと絶叫。
関係者の通報で豊田署員が駆け付けた。
印鑑店の妻は「あや子さんとは仲良しだったのに」と悲しげな表情を見せた。
一方、同容疑者の親族や近隣住民によると、同容疑者は金銭トラブルについて「娘の就職をめぐる立て替え金だ」などと説明。
高額をだまし取られたなどと訴えていたという。
同容疑者は自動車関連の工場に長年勤務し、定年退職後は警備員のアルバイトをしていた。
近所の人は「規則正しい生活をしていた」「真面目な人柄」と口をそろえ、ショックを隠せない様子だった。
(2015/05/26 時事.com）
愛知の全焼３遺体:殺害や放火示唆する手紙 容疑者が残す
愛知県豊田市太田町細田の民家が全焼し、女性３人の遺体が見つかった事件で、
この家の世帯主で銃刀法違反容疑で逮捕されたアルバイト、松井芳治容疑者（６５）が
３人の殺害や自宅の放火を示唆する手紙を残していたことが県警への取材で分かった。
一方で「家族を殺して自分も死のうと思った」という趣旨の供述もしているといい、
県警は心中を図ろうとした可能性もあるとみて調べている。
県警足助署によると、
遺体は母屋１階の仏間で１人、車庫兼倉庫で２人が見つかった。
松井容疑者と同居していた妻あや子さん（６５）義母キヨコさん（８９）長女利江さん（３７）−−の３人の可能性が高いとみて調べている。
同署や松井容疑者の兄によると、
松井容疑者は火災発生後の２６日午前５時ごろ、兄に電話をし
「ヒモで首を絞めて３人を殺し、灯油をまいて火を付けた。もめ事のあった岡崎市内の知人のところに行く」と話したという。
松井容疑者は今月、
「妻が知人に８０００万円をだまし取られた」などと豊田署に相談しており、知人とトラブルになっていたという。
火災発生後、松井容疑者と連絡が取れなくなっていたことから県警豊田署が捜索したところ、
この知人が経営する岡崎市内の店舗で発見され、知人に対して出刃包丁を向けていた。
松井容疑者は当時、包丁２本を所持しており、
県警の調べに対し「包丁の１本は自分を刺すために持っていた」と話しているという。
(毎日新聞 2015年05月26日)