「火葬しようと」愛知3人死亡、殺人・放火容疑で再逮捕
愛知県豊田市太田町で5月、自宅で家族3人を絞殺し、放火したとして、県警は15日、アルバイト松井芳治容疑者(65)=銃刀法違反容疑で逮捕=を殺人と非現住建造物等放火の疑いで再逮捕し、発表した。容疑を認め、「生活費に窮し、将来を悲観した。1人で決めてやった」と供述しているという。
捜査1課によると、松井容疑者は5月25日未明、住宅で就寝中の義母キヨコさん(89)と妻あや子さん(65)、娘利江さん(37)の首を絞めて殺害。その後、豊田市内で購入した灯油やガソリンを屋内にまき、翌26日午前4時25分ごろに火をつけ、木造2階建て住宅約250平方メートルを全焼させた疑いがある。
松井容疑者の行方を追っていた警察官が約2時間20分後、包丁2本を持って約30キロ離れた同県岡崎市のはんこ店にいるのを見つけ、銃刀法違反容疑で現行犯逮捕した。
松井容疑者は今年3月に実母が死去した際、あや子さんから「知人にお金を渡してしまい、葬儀費用がない」と聞き、「だまし取られたと思った」という。知人ははんこ店の関係者で、松井容疑者は県警にも相談していた。
包丁は事前に購入した1本と、自宅から持ち出したもので、「知人を脅して真実を話させるつもりだった。殺すつもりはなかった。自分は腹を刺して死ぬつもりだった」と供述。放火については「葬儀を出すことができないため、遺体を燃やして火葬しようと思った。後片付けのことを考え、家をつぶして全てをゼロにしたかった」と話しているという。
(2015年6月16日 朝日新聞DEGITAL)