George Harrison - "Bangladesh"
「全世界に謝罪」=苦悩する実行犯父―ダッカ襲撃テロ
「息子に代わって全世界に謝罪しなければならない」。
バングラデシュのダッカで起きた飲食店襲撃テロ事件で、
射殺された実行犯6人のうちの1人の父親が米紙ニューヨーク・タイムズに対し、苦悩する胸の内を明かした。
外資系企業幹部を務める父親に警察から電話があったのは、実行犯が射殺された翌日の3日。
軍病院に収容された遺体が18歳の息子かどうか確認するよう要請する内容だった。
「この状況でどうやって息子の葬式を行うことができようか。一体誰が来るというのか」と父親。
ダッカでも有数の私立学校に通っていた息子は、
個別授業に出席すると言い残して外出したまま、
2月29日から行方不明になった。
父親はダッカの警察などを回り、写真を配って息子を捜したが、見つからなかった。
息子は物静かで敬けんだったと振り返る父親は「イスラム過激主義の組織に勧誘されたのだと思う」と語る。
家族は息子の変化に気が付かなかったが、
一つあるとすれば、行方不明になる約3カ月前に息子は好きだったギターの演奏をやめた。
理由を聞くと「音楽は良くない」と答えた。
過激派組織「イスラム国」(IS)が公開したとされる実行犯の写真を見つめながら、
父親はこの中に息子がいるはずはないと言い聞かせようとしていた。
「息子はとても博愛精神に満ちていた。その息子がこんな残酷なことをできるわけがない」。
時事通信 2016年7月5日
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【ダッカ人質テロ】
「異教徒を殺す」と外国人らを選別
銃使わず刃物で殺害か
テロ犯3人は半年行方不明
バングラデシュの首都ダッカの飲食店襲撃テロで、イスラム過激派の犯行グループが、イスラム教徒を除いた主に外国人の「異教徒」を選別し、躊躇(ちゅうちょ)なく殺傷する犯行の様子が目撃者の証言で明らかになってきた。
実行犯が店内で発砲を始め、治安部隊に制圧されるまでの動きを追った。
1日夜、閑静な住宅街にある店舗は、いつも通り外国人や地元住民などの50人近い客でにぎわっていた。ラマダン(断食月)明けの祝祭を控えた華やいだ空気を「パン、パン」と乾いた銃声が切り裂いたのは、午後9時半前だった。
地元紙デイリー・スターによると、戦闘用の銃や刃物、手榴弾(しゅりゅうだん)で武装した犯人グループが、目抜き通りに面した門から敷地に侵入。はじめに店舗から離れたピザを焼く小屋を襲い、店に向かった。実行犯が「神は偉大なり」と叫ぶのとほぼ同時に、大きな爆発音が響いた。数人が前後して客らに無差別に銃撃を加えた。
「外国人と異教徒を殺すためにきた」。そう現地語で話し、店内に押し入ってきた実行犯は、店にいた人をイスラム教徒とそれ以外にグループ分けした。家族で店を訪れた男性は、「一人ずつに(イスラム教の聖典)コーランを暗唱できるか聞き、できた人質は逃された」と証言。「(犯人は)バングラデシュ人には親切だった」と語った。
数分後、警察官が現場に駆けつけたが、実行犯は銃や手榴弾で応戦。多数の警官が負傷し、2人が死亡した。カーン内相は3日、ロイター通信のインタビューに対し、犯人から、何の要求もなかったことを明らかにした。事件は、身代金や当局による逮捕者の身柄釈放が目的ではなく、イスラム過激主義の存在を誇示する狙いだった可能性が浮上している。
当局者は、テロ犯は25歳以下の若者だったと明らかにしているが、カーン内相はこのうち3人は22歳未満で半年間、行方不明になっていたと明らかにした。
現場は凄惨(せいさん)を極めた。治安関係者は、犠牲者の多くが鋭利な刃物で殺害されたとの見方を示している。銃ではなく、故意に刃物を使った可能性が高い。
4時間が過ぎた2日午前1時半すぎ、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)系の通信社がISの犯行関与を報じた。店内で撮影されたとして掲載された写真には、血だらけの床に遺体が横たわる様子が写されていた。
午前8時前、約100人規模の治安部隊が店内へ突入。日本人1人を含む人質13人が救出されたが、20人の死亡が確認された。事件発生からほぼ12時間。脱出に成功した店員の一人は、テレビ取材にこう答えた。
(2016年7月4日 産経新聞 )
クルアーン(قرآن qur’ān)あるいはコーランは、
イスラーム教(イスラーム)の聖典である。
イスラームの信仰では、
唯一不二の神(アッラーフ)から最後の預言者に任命されたムハンマドに対して下された啓示と位置付けられている。
ムハンマドの生前に多くの書記によって記録され、
死後にまとめられた現在の形は全てで114章からなる。
クルアーンは、読誦して音韻を踏むように書かれている。
「クルアーン」という名称はアラビア語で「詠唱すべきもの」を意味し、
アラビア語では正確には定冠詞を伴って「アル=クルアーン」と呼ばれる。
英語では、Quran(Qurʾan)または、Koranと表記されるが、
「コーラン」は、回教(回紇(ウイグル)に由来))と共に中国語「古蘭(または可蘭)」に由来する。
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バングラデシュ人質事件 武装グループは高学歴の若者か
バングラデシュの首都ダッカで武装グループが飲食店を襲撃して日本人7人が死亡したテロ事件で、バングラデシュ政府の閣僚は、武装グループのメンバーは、高学歴で裕福な家庭の出身の若者だったと明らかにし、捜査当局はなぜ、こうした若者が今回の犯行に及んだのかなど、事件の捜査を進めています。
バングラデシュの首都ダッカで1日の夜、武装グループが飲食店を襲撃したテロ事件では、現場から20人の遺体が見つかり、日本人の男女7人の死亡が確認されました。
また日本人のほかにもイタリア人9人、アメリカ人1人、インド人1人の死亡が確認されました。
飲食店を襲撃した武装グループは治安部隊に6人が射殺され、1人が拘束されました。
今回の事件を巡っては、過激派組織IS=イスラミックステートのバングラデシュ支部を名乗る組織がインターネット上に犯行を認める声明を出していますが、信ぴょう性は確認されていません。
これについて、バングラデシュのカーン内相は3日、武装グループについて、ISとのつながりを否定したうえで、「全員がバングラデシュ人で、裕福な家庭の出身だった。大学に通うなど高度な教育を受けた若者だった」と明らかにしました。
捜査当局は最貧国のバングラデシュでは比較的恵まれた環境にある、こうした若者がなぜ今回の犯行に及んだのか、拘束した容疑者を取り調べるとともに、国際的なイスラム過激派組織とのつながりがなかったかなど、事件の捜査を慎重に進めています。
現地のメディアは、警察の話として武装グループのうち5人は過激派の名簿に登録されていて、警察が行方を追っていたと伝えています。
バングラデシュのカーン内相は、武装グループはいずれもバングラデシュ人だとしたうえで、「彼らはみな、高度な教育を受けていて大学にも通っていた。イスラム教の神学校、マドラサの出身者は1人もいない」と述べ、武装グループの多くは裕福な家庭の出身だという見方を示しました。一方でカーン内相は、犯行を認める声明を出したISとの関わりについては否定しました。
また、現地のメデイアも、同級生の話やフェイスブックなどインターネット上で集めた情報を基に、武装グループのうち3人はダッカ市内の大学や、裕福な家庭の子どもたちが集まる学校に通っていたとみられると伝えています。
このうちの1人は、3月のテストの前から行方が分からなくなっていたということです。
(2016/7/3/NHK NEWS WEB)