妊婦刺殺に懲役21年=55歳男に責任能力―大阪地裁
大阪府豊中市のマンションで昨年5月、妊娠中の滝畠裕美さん=当時(33)=が刺殺された事件で、
殺人罪などに問われた無職上原亮宏被告(55)の裁判員裁判の判決が14日、大阪地裁であった。
小倉哲浩裁判長は「全く落ち度がないのに一方的な思い込みで殺害された被害者の恐怖は、想像するに余りある」と述べ、
懲役21年(求刑懲役22年)を言い渡した。
弁護側は殺意を否定し被告の責任能力を争ったが、
小倉裁判長は「死んでも構わないと認識し、頭や首をかなり強い力で何度も突き刺した」と殺意を認めた。
その上で「精神疾患に基づく妄想は意思決定を支配するほどではなく、自身の意思で犯行に及んだ」と判断。
「悲鳴を上げる被害者に執拗に切り付け、幼い長男が泣き叫ぶのに構わず攻撃し続けた」と非難した。
判決によると、
上原被告は昨年5月、自宅マンションの通路で滝畠さんの首や頭などをサバイバルナイフで多数回刺して失血死させた。
滝畠さんの夫正義さん(44)は記者会見し、
「嫁が帰ってくること以外喜べない。おなかの赤ちゃんも含め2人の殺人という思いはずっと残っている」と声を詰まらせた。
(時事通信 2016 12/14)
被告「殺意はなかった」と否認 豊中の妊婦殺害初公判
大阪府豊中市のマンションで昨年5月、住人の女性を刺殺したとして、殺人や銃刀法違反の罪に問われた無職、上原亮宏被告(55)の裁判員裁判の初公判が5日、大阪地裁(小倉哲浩裁判長)で開かれた。上原被告は「殺意はなかった」と殺人罪の起訴内容を否認。弁護側は刑事責任能力の有無について争う姿勢を示した。
検察側は冒頭陳述で、上原被告が起訴前の精神鑑定で「妄想性障害」と診断されたと指摘。あいさつする程度の関係だった被害者から、嫌がらせを受けていると思い込んだと動機への影響は認めたが、被害者を執拗に刺すなど犯行の状況から殺意は明らかで、完全責任能力があったと訴えた。
一方、弁護側は、被害者の頭をこづくなどした記憶はあるが、「致命傷を与えたときはパニック状態だった」として責任能力がなかったと主張。殺人罪は成立せず、傷害罪にとどまると述べた。
起訴状によると、上原被告は昨年5月27日、豊中市服部西町の自宅マンション6階の通路で、同じ階に住む滝畠裕美さん=当時(33)=の首などをサバイバルナイフで繰り返し刺し、殺害したとしている。滝畠さんは当時、第2子を妊娠していた。一緒にいた当時1歳の長男は無事だった。
公判に被害者参加した裕美さんの夫、正義さん(44)は「私にとっては(第2子を含め)2人の殺人。絶対に許さない」と弁護士を通じコメントした。
(産経WEST 2016.12/14)
「みんなグルで監視されていた」…子連れ妊婦殺害事件に潜む「隣人」の被害妄想
大阪府豊中市のマンションで5月27日、6階住人の女性(33)が殺害された事件。女性は大量の血だまりの中に倒れ、そばには1歳7カ月の長男がいた。女性は妊娠数カ月だった。
これだけでも衝撃的な事件だが、逮捕された無職の上原亮宏容疑者(53)が同じフロアの住人だったことに加え、その供述内容が世間に得体の知れない不気味な「恐怖」を与えた。
「いろんな人から嫌がらせを受けていた。監視されたりストーカーされたり、我慢できなかった。6階の住人は全員が『グル』になり、自分を監視していた」
殺人未遂容疑で逮捕された後、殺人容疑で送検された上原容疑者。その供述は荒唐無稽な言い訳に聞こえるが、当人はいたって真面目なのかもしれない。
これまでの取材で、上原容疑者の自宅には防犯カメラが設置されていたことが判明した。このカメラは、ドアを開けた際に訪問者や廊下が写るような位置に据えられていたという。
カメラに関しては、上原容疑者が数年前まで住んでいた兵庫県伊丹市の一軒家でも、外壁に2台取り付けていたと、近隣住民が証言している。
さらに、自宅からは事件の凶器とみられる血の付いたサバイバルナイフ以外にも、別のサバイバルナイフや特殊警棒が押収された。
防犯カメラに武器類。上原容疑者が何かにおびえ、警戒していた様子はうかがえる。だが、そこまで警戒させる「何か」は、これまでの捜査で明らかになっていない。「嫌がらせ」も確認されていない。
「約1週間前、長男が上原容疑者の自宅の外壁をこすったので謝ったことがある」。女性の夫はそう説明したというが、嫌がらせでも何でもなく、ましてや殺される理由になどなりはしない。
取り調べには淡々と応じ、「監視されていた」との趣旨の供述は変わらないとされる。大阪地検は、犯行時の刑事責任能力を調べる精神鑑定の検討を始めたという。
(産経WEST 2015.6/8)
妄想性障害 - Wiki
妄想性パーソナリティ障害 Wiki
上原亮宏は、以前暮らしていた兵庫県伊丹市でも、物音やゴミの出し方に神経をとがらせ、異常なまでの警戒心をみせ、近隣住民とトラブルが絶えなかったそうで、伊丹市の閑静な住宅街、「とにかく不気味だった」と語る住民の女性は、上原亮宏の逮捕を報じるテレビニュースを見て、かつて住んでいた“隣人”だとすぐに分かったそうです
以前暮らしていたのは、現在は取り壊されている2階建ての一軒家で、通常は家の前の道路を見下ろすように設置される防犯カメラが、2階の外壁に2台、あたかも、近所の家を監視しているかのような方向に水平に据え付けられており、一見して異様だったという
両親が他界してから20年近く1人で暮らしており、近所付き合いはほとんどなく、その一軒家から外に出ることもほとんどなかったにも関わらず、「車の音がうるさい!」、近所の住人にこう抗議したとか、指定のゴミ袋を使わずにゴミを出したため、自宅の前にゴミを戻された際には、無関係の住民に向かって「ゴミを置いたのはお前か」と迫る場面も目撃されています
また、伊丹市は、1995年(平成7年)の阪神大震災で大きな被害を出していますが、隣家の瓦が崩れ、上原亮宏(あきひろ)(53)の自宅の窓ガラスが割れると、震災直後にもかかわらず、隣人に激しく文句を言っていたという場面も目撃されています