「富美子の足」
谷崎潤一郎
(雄弁 1919年6月)
「瘋癲老人日記」(1962年)の映画版は折角の若尾文子様が出ているのに 山村聰の特殊メイクの杜撰さでイマイチの仕上がり、原作版はカタカナでヨミヅライので先延ばしに放置してあります
そーゆー谷崎足フェチもんの流れの源流「富美子の足」は読みやすくとっつきやすい
ちゃんと「異性の足を渇仰する拝物教徒 Foot-Fetichist」とまでわかりやすく解説してくれてますし
圧巻は足(脚)のいちいち微に入り細に入りの描写である
このいちいちがフェチ
めんどくさいがフェチとはそーゆーもんらしー
美学的見地からの描写なのであまり粘着質過ぎず胃もたれしないで助かりますが
それでも 弱冠の変態性欲さからは免れまい
自分は全然フェチではないので そこまで足のことをあーだこーだ云われるのはメンドーくさいって思ってしまうのですが フェチに人にはメンドー臭いとゆー概念が無いのであろー
コダワリとゆーより一歩先二歩先前人未到のところまで行っちゃう性欲だから
カッコつけてよく「自分は足フェチなんで」とかゆー輩を結構見かけるが、そーゆースタイリッシュな奴らには谷崎先生の恥垢を煎じて飲ませてやった方がイイ、でもそんな奴らには谷崎先生も恥垢の効き目もないとは思うが
小説家の表現力の偏差値は 現実映像の文章による再現化で決まってくることが多いと思いますが
そーゆー観点から見ても、この「富美子の足」の偏差値は高い
国定のどの版画のポーズなのか知りたくてウズウズしてくる ちょっと調べる値打ちはある
それにしても テレビドラマ版(があったよーです)の出来はヨロシクナイ
[SP] BUNGO 일본문학시네마 「富美子の足」(후미코의 발)
加藤ローサは好みの女子だが富美子役には適さないし
寺田農には気色悪さが微塵もなく
変態性欲の体温や湿度や気色悪さがビタ一文なし
これでフェチとかゆーたらアカンと思う こーゆースタイリッシュな処理はないと思う
そのへんがやはり映像作家の増村保造は偉大だったのだなーと今更思う
瘋癲老人日記 [DVD]クリエーター情報なし角川書店