元名大生に無期懲役=「完全責任能力あった」―女性殺害、タリウム投与・名古屋地裁
名古屋市で知人女性を殺害、仙台市で高校の同級生ら2人に劇物の硫酸タリウムを飲ませたとして、
殺人や殺人未遂罪などに問われた名古屋大の元女子学生(21)の裁判員裁判の判決が24日、名古屋地裁であった。
山田耕司裁判長は「複数の重大かつ悪質な犯罪に及び、有期刑では軽過ぎる」と述べ、求刑通り無期懲役を言い渡した。
事件当時未成年で、発達障害やそううつ病があったとされる元学生の刑事責任能力が最大の争点。
山田裁判長はいずれの事件も「障害が動機形成に一定の影響を及ぼしたものの、影響は限定的で、自らの意思で実行に踏み切った。
完全責任能力があった」と判断した。
量刑判断に関連し、公判で元学生から謝罪の言葉がなく、「反省の深まりは全く足りない」と非難。
一方で、「検察官の論告を受け、遅まきながらも事件の重大性を理解し始め、反省の萌芽が現れている」と一定の理解も示した。
また、死刑に近い無期懲役として生涯にわたり服役を求める趣旨とは異なるとし、
「相応の長期間服役し、障害の克服状況にも照らして、仮釈放の弾力的な運用で比較的早期の社会復帰が図られることが適切だ」と意見。
元学生の刑事施設での処遇について注文を付けた。
事件の動機については、タリウム投与は「中毒症状を見てみたいとの興味」、
女性殺害は「殺人を体験し、人が死に行く様子を見てみたいとの興味」とそれぞれ認定した。
弁護側は元学生の精神障害を理由に、「行動を制御できなかった」と全事件で無罪を主張していたが、退けられた。
判決によると、元学生は仙台市の高校に通っていた2012年5~7月、
死亡しても構わないと考えて同学年の生徒2人の飲み物に硫酸タリウムを混ぜて飲ませ、傷害を負わせたほか、
名大1年だった14年12月に名古屋市のアパート自室で、
知人の森外茂子さん=当時(77)=を手おので殴り、マフラーで首を絞めて殺害した。
(時事通信 2017年3/24)
元名大女子学生に無期判決 女性殺害や劇物投与事件
知人女性殺害や同級生への劇物投与事件で、殺人や殺人未遂の罪に問われた名古屋大の元女子学生(21)の裁判員裁判の判決で、
名古屋地裁(山田耕司裁判長)は24日、求刑通り無期懲役を言い渡した。
元女子学生の事件当時の責任能力の有無が最大の争点。
検察側は「精神面の障害の影響は限定的で、完全責任能力があった」と主張。
これに対し、弁護側は重篤な精神障害を理由に無罪を主張していた。
起訴状などによると、元女子学生は2014年12月、名古屋市の自宅アパートで知人女性(当時77)の頭を殴り、マフラーで首を絞めるなどして殺害。
高校在学当時の12年、同級生ら2人に劇物の硫酸タリウムを飲ませ、殺害しようとしたなどとされる。
(日本経済新聞 2017/3/24 )
犯行告白も捜査に至らず=シグナル見過ごされ-元名大生
名古屋大の元女子学生(21)が同級生ら2人に劇物の硫酸タリウムを飲ませた時、元学生は仙台市の高校2年生だった。
公判では、元学生が学校に薬品を持ち込むなど特異な言動で周囲に知られ、妹(19)らには犯行を打ち明けていたが、
捜査の手が及ばなかったことが明らかになった。
2012年6月、高校の同じクラスの男子生徒がタリウム中毒を発症。
一方、元学生はナイフや薬品類を持参したり、劇物硫酸銅の粉末を他の生徒らになめさせたり、「変わり者」とされていた。
男子生徒は宮城県警の捜査に、「クラスで白い粉をなめさせていた」と元学生の名前を挙げ、
元学生の地元警察署も、父親からの相談を受け薬品所持を把握していた。
妹も公判で、タリウム投与を「(当時)お姉ちゃんに教えてもらった」と証言。
しかし情報は共有されず、元学生は容疑者として浮上しなかっ
タリウム中毒の症状が出たもう一人の女子生徒について、元学生は公判で「ストレスが原因とされたと聞いた時、
医学の力ってこんなもんかと思った」と振り返った。
元学生はタリウム投与以外の事件も妹に告白。
妹は証人尋問で、14年12月の名古屋市の女性殺害事件当日、「姉から電話で『きょう人を殺したんだよ』と聞いた」と説明した。
翌日実家に戻った元学生から「おので殴った」と聞き、血を浴びたズボンを洗濯させられたと話した。
大半の事件について聞いていた友人もおり、母親も「夢か現実か分からないけど人を殺したかも」と打ち明けられていた。
元学生は名大進学後、ツイッターに殺人願望をつづった。
妹は「鎌やナイフを胸に突き付けられたこともあった」と証言。
元学生が発したシグナルは見過ごされていた。
(2017/03/24 時事.com)
全事件「姉に教えてもらった」=元名大生の妹証言-名古屋地裁
殺人罪などに問われた名古屋大の元女子学生(21)の裁判員裁判の第12回公判が15日、名古屋地裁(山田耕司裁判長)であり、
元学生の妹(19)の証人尋問の音声が法廷で流された。
元学生が知人女性を殺害し、高校の同級生らに劇物の硫酸タリウムを飲ませたなどの起訴内容について、
「(事件当時)お姉ちゃんから教えてもらった」と証言した。
証人尋問は公判前の昨年12月、仙台地裁で行われた。
妹は、起訴された全事件について「知っていた」と明言。
「姉は『人を殺したい』と高校に入って言うようになり、多いときにはほぼ毎日言っていた」と述べた。
(2017/02/15 時事.com)
被害男性「夢台無し、許せず」=元名大生劇物混入-名古屋地裁
名古屋大の元女子学生(21)が殺人罪や殺人未遂罪などに問われた裁判員裁判の第10回公判が9日、名古屋地裁(山田耕司裁判長)で開かれた。
元学生が劇物の硫酸タリウムを飲ませた影響で、視力低下などの障害が残ったとされる高校の元同級生の男性(20)が証人出廷し、
「思い描いていた目標や夢を台無しにされ許せない。一生刑務所に入って罪を償ってほしい」と訴えた。
男性は公判の冒頭、視覚障害者が使用する機器で文字を5倍に拡大し、宣誓書を読み上げた。
タリウム中毒で脱毛や両足の痛みなどを発症し、急激に低下した視力は今も回復していないと証言。
「理系の研究職をしたかったが、全く別の道を考えざるを得なくなった」と述べた。現在ははり・きゅうを学んでいるという。
元学生側は「タリウム中毒の症状を観察するのが目的だった」などと殺意を否定している。
起訴状によると、元学生は仙台市の高校に通っていた2012年5~7月、死亡しても構わないと考えて、
この男性ら中学や高校の同級生2人の飲み物に硫酸タリウムを混ぜて飲ませ、傷害を負わせたなどとされる。
(2017/02/09-時事.com)
「殺さずにいられない」=元名大生の被告人質問-名古屋地裁
名古屋大の元女子学生(21)が殺人罪などに問われた裁判員裁判の第2回公判が19日、名古屋地裁(山田耕司裁判長)で開かれ、
森外茂子さん=当時(77)=殺害事件について被告人質問が行われた。
元学生は「高校生の時から『殺さずにはいられない』という強い気持ちが湧いたり無くなったりしていました」と話した。
16日の初公判で、弁護側は「重い精神障害で責任能力はなかった」と無罪を主張。責任能力はあったとする検察側と対立している。
元学生は森さん殺害の状況を、
「背後に回り、頭をめがけておのを振り下ろした。血が思ったよりたくさん流れた」などと詳細に説明。
「森さんから『殺すつもりなの』と聞かれて『はい』と答え、『どうして』と問い掛けられると『人を殺してみたかった』と答えました」と淡々と述べた。
この際、携帯電話で写真を何枚も撮っており、「実験結果として残したかった」と話した。
事件の翌日に実家に帰省したのは、「仙台でも人を殺せると思ったから」と説明した。
一方、元学生は起訴後に治療を受けるようになり、
「人を殺すという考えが浮かぶ頻度は少なくなった。人を殺さないような自分になりたいと思うようになりました」と現在の心境を語った。
(2017/01/19-19:28)
大内万里亜
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グレアム・ヤンググレアム・フレデリック・ヤング(Graham Frederick Young, 1947年9月7日 - 1990年8月1日)
グレアム・ヤング 毒殺日記クリエーター情報なし飛鳥新社
硫酸タリウム(thallium sulfate)
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