千葉県我孫子市でベトナム国籍の小学3年レェ・ティ・ニャット・リンさん(当時9)=同県松戸市六実(むつみ)5丁目=の遺体が見つかった事件で、県警捜査本部は14日、リンさんの自宅近くに住む40代の渋谷恭正容疑者を死体遺棄容疑で逮捕した。
事件が起きたのは3月24日午前8時ごろ。松戸市立六実第二小学校に行くため家を出たリンさんが行方不明になった。家の防犯カメラには黄色い帽子をかぶり、赤いランドセルを背負って1人で歩く姿が映っていたが、900メートルほど先の通学路に設置された複数の防犯カメラには映っていなかった。学校近くで見守り活動をしていた住民も目撃していなかったという。
リンさんの遺体は2日後の26日午前6時45分ごろ、約12キロ離れた我孫子市北新田の橋の下で見つかった。周囲にランドセルや帽子などの所持品はなかった。首を絞められたような痕跡があったことから、県警は殺人・死体遺棄事件と断定。我孫子署に松戸東署との合同捜査本部を設置した。司法解剖で、死因は窒息死の可能性があるとされた。
27日には遺体の遺棄現場から約18キロ離れた茨城県坂東市の利根川河川敷でランドセルが見つかり、リンさんの物と確認された。28日には500メートルほど離れた河川敷で、リンさんの物とみられる衣類や防犯ブザーなども見つかった。
捜査本部はリンさんが家を出た直後に事件に巻き込まれたとみて、それぞれの現場周辺での聞き込み捜査のほか、民家に設置された防犯カメラや近くを走行した車のドライブレコーダーなどの分析を進めてきた。捜査本部はリンさんとみられる女児と成人とみられる人物が一緒に映っているドライブレコーダーの映像を複数回収した。
捜査関係者によると、聞き込みなどから、リンさん宅の近くに住む渋谷容疑者が事件に関与した疑いのあることがわかったという。
千葉の女児殺害、近所の男を逮捕 遺棄容疑、DNA酷似
千葉県我孫子市の草むらで3月、ベトナム国籍で小学3年のレェ・ティ・ニャット・リンさん(当時9)=同県松戸市六実5丁目=の遺体が見つかった事件で、県警捜査本部は14日午前、リンさんの自宅近くに住む渋谷恭正(やすまさ)容疑者(46)を死体遺棄容疑で逮捕した。捜査関係者への取材でわかった。
捜査関係者によると、リンさんが行方不明になった通学路周辺の聞き込み捜査などから、渋谷容疑者が浮上。その後の捜査で、我孫子市の死体遺棄現場の遺留物から採取したDNA型と、渋谷容疑者のDNA型が酷似していることがわかったという。
松戸市教委などによると、渋谷容疑者はリンさんが通っていた松戸市立六実第二小学校の保護者会「二小会」の会長を務めている。自身の子どもも同じ小学校に通っているといい、通学路での児童の見守り活動にも参加していたという。
事件が起きたのは3月24日午前8時ごろ。この日は修了式で、リンさんは小学校に行くため家を出た後、学校に着くまでの間に行方不明になった。家の防犯カメラには黄色い帽子をかぶり、赤いランドセルを背負って1人で歩く姿が映っていたが、900メートルほど先の通学路に設置された防犯カメラには映っていなかった。学校近くで見守り活動をしていた住民も目撃しなかったという。
リンさんの遺体は2日後の26日午前6時45分ごろ、自宅から約12キロ離れた我孫子市北新田(きたしんでん)の橋の下で見つかった。周囲にランドセルや帽子などの所持品は残されていなかった。首に絞められたような痕があったことから、県警は殺人・死体遺棄事件と判断。我孫子署に捜査本部を設置した。司法解剖で、死因は窒息死の可能性があるとされた。
(2017年4月14日 朝日新聞)
容疑者、逮捕前日の取材に「答える気ない」 女児殺害
千葉県我孫子市でベトナム国籍の小学3年レェ・ティ・ニャット・リンさん(当時9)=千葉県松戸市六実(むつみ)5丁目=の遺体が見つかった事件で、県警捜査本部は14日朝、リンさん宅の近くに住む渋谷恭正容疑者(46)を死体遺棄容疑で逮捕した。渋谷容疑者は逮捕前日の13日午後、現場周辺で取材をしていた朝日新聞記者に対し、自宅のインターホン越しに質問に応じていた。主なやり取りは以下の通り。
――六実第二小学校の女児が殺害された事件について取材している。
うん。
――間もなく発生から1カ月。事件について受け止めを聴かせていただきたい。
答えることがないんで。
――学校関係の役員もされている、とうかがいました。
答える義務ってあるんですか。
――関係者の声をうかがえればと思いまして。
言いましたよね。答える気はないって。
(朝日新聞デジタル 4/14)
「子煩悩」な容疑者、入学式で来賓祝辞 千葉・女児殺害
渋谷容疑者の自宅マンションは、亡くなったリンさんの自宅からわずか300メートルほどの場所にある。
14日午前7時55分、4階の渋谷容疑者宅のドアが開いた。ドアが半開きになったり全開したりを繰り返した後、渋谷容疑者は歩いて階段を下りた。1階まで下りると、待機していた捜査員1人が渋谷容疑者に正面から近づき、声をかけた。渋谷容疑者は抵抗する様子もなく、マンションの隣のコインパーキングに止めてあった捜査車両に向かい、捜査員とともに後部座席に乗り込んだ。現場には5人ほどの捜査員がいた。
同じマンションに住む女性(51)によると、渋谷容疑者は女性と小学生の子ども2人の4人暮らし。松戸市教育委員会によると、リンさんが通っていた松戸市立六実(むつみ)第二小学校の保護者会「二小会」の会長を務める。女性は「子煩悩で温和な方。笑顔の絶えない家族だった」と話した。
(2017年4月14日朝日新聞デジタル)
「まさかあの人が」=容疑者周辺住民に驚き―千葉小3女児遺体
死体遺棄容疑で逮捕された渋谷恭正容疑者(46)が住む千葉県松戸市のマンション周辺の住民からは、「まさかあの人が」と驚きの声が上がった。
住民らによると、渋谷容疑者の2人の子どもは殺害されたレェ・ティ・ニャット・リンさん(9)と同じ小学校に通っており、同容疑者自身も同校出身で、保護者の会で会長を務めていた。
同じマンションに住む40代の主婦によると、渋谷容疑者は建物のオーナーだった。「すれ違ったときにあいさつを交わす程度。あまり暗い印象はない」。ジャージーなど普段着姿で出歩き、日中は家にいることが多かったという。「まさかあの人が」と驚いた様子だった。
近所に住む自営業の60代男性によると、今月上旬、小学校の保護者らが中心となってパトロール活動をした際、渋谷容疑者も参加していたという。「優しいお父さんという印象だった。子どものことを考えるといたたまれない」と語った。
近くの中華料理店従業員の佐藤理香さん(49)によると、渋谷容疑者は週1回程度、ギョーザや空揚げなどを購入して帰宅していた。2人の子どもと一緒に来ることもあり、小学校のお祭りの際に「ポスターを張らせてください」と依頼に来たこともあった。数日前にも1人で来店したが、「普段と変わらず落ち着いた様子だった」と振り返った。
(時事通信 2017.4.14)
女児とおかいものさん