愛知県女児監禁父親殺害事件
水島誠容疑者は 2012年9月3日朝、同じマンションに住む小学1年生の女の子を部屋に連れ込み
およそ12時間にわたって監禁した監禁と略取の疑いで逮捕され、
5日午前、身柄を名古屋地検に送られた。
水島容疑者の部屋からは父親の正和さんの遺体が見つかっていて、
水島容疑者が「女の子を監禁するのに父親が邪魔になったため殺害した」
という趣旨の供述をしていた。
去年9月、名古屋市中川区で男が小学1年生の女児を連れ去り同居する父親を殺害したとして逮捕された事件で8日、
名古屋地検は男を殺人などの罪で起訴した。
この事件は去年9月、中川区で水島誠被告(24)が小学1年生の女の子を無理やり連れ去り監禁し、
同居していた水島被告の父親・正和さん(当時66)を木刀で何回も殴るなどして殺害したとして逮捕・送検されたもの。
名古屋地検は水島被告を殺人や監禁など4つの罪で起訴した。
名古屋地検は水島被告の刑事責任能力の有無を見極めるための鑑定留置を行っていたが、
「言動や調べにおける対応に不自然さはない」として起訴に踏み切ったという
2012年9月3日
8時30分前 小学校1年生の女児は1人でマンションの自宅を出た。
階段を降りていた所を水島誠(23歳)に呼び止められる。面識は無かった。
1階のエントランス付近で、水島誠は女児を抱き抱えるように持ち上げ、担いで自室に連れ込み監禁した。
父親の正和さんは寝室のベッドでまだ寝ていた。水島誠は、女児を連れ込んだことが見つかると父親にとがめられると思い、殺害を決意した。
水島誠が父親の首を絞めると目を覚まして激しく抵抗されたが、しばらくするとぐったりしたため、死亡したと思った。
水島誠が、しばらくして様子を見に行くと父親がまだ呼吸をしていたので再び首を絞めたが殺害できず、自宅にあった木刀で頭を数回殴ったら死んだ。
水島誠は、女児を椅子に座らせ、死んだ父親に布団をかけた。
女児が行方不明になり、住民と警察がマンションの各部屋を訪ね女児の目撃情報などの聞き込みをはじめたので、水島誠は居留守を使った。
午後7時半頃、愛知県警は、マンション住民からの聞き込みと、人の気配がするのに夜間になっても電気をつけないことから、女児が監禁されていると確信し、
玄関ドアを破壊し警察部隊が部屋に踏み込み、女児を救出し、水島誠の身柄を確保し、監禁容疑で現行犯逮捕した。
愛知県警によると、水島の父親の死因は頭部打撲による出血性ショックで、遺体には、首を絞められた痕や、頭部を鈍器で殴られた痕が複数あった。
県警では、傷痕の状況が水島誠の供述と一致しているとみている。
家宅捜索で血の付いた木刀1本を押収した。
水島誠は「子供に興味があった」と容疑を認めている。
水島誠は愛知県内の私立高校を卒業後、愛知県内の私立大学に進学し心理学を学んだが、卒業後就職が決まらず就職浪人。
飲食店の皿洗いやウエイター、引越し会社などで短期のアルバイトを転々としていた。
昨年まで名古屋市内の母親と生活していたが、1年ほど前に父親の住むマンションに同居していた。
近所付き合いや友人との交流はほとんど無く、バイト先でも目立たないまじめでおとなしい存在だった。
女児は午前8時前、通学のため自宅を出たが、集団登校の集合場所であるマンション入り口に姿を見せなかった。学校からの連絡を受けた保護者が警察に通報した。
女児に声を掛けて自宅に連れ込み、午後7時半ごろまで監禁した疑い。捜査関係者によると、水島容疑者は「女児を自分の部屋に連れてきた」と容疑を認めている。女児とは面識がなかったという。
捜査員が女児の住むマンションの各部屋を聞き込みするなどした結果、夜になっても電気がつかない水島容疑者の部屋に気付いた。
水島容疑者が在宅なのに居留守を使っていたため、室内に踏み込んだ。
ドアを無理に解錠して中に入ったところ、室内にいた水島容疑者が「女の子いますよ」と話し、監禁されている女児が見つかった。
捜査員が踏み込んだところ、居間の椅子に女児が腰掛けており、近くに水島容疑者の父親とみられる60代ぐらいの男性が倒れていた。男性の首には絞められたような痕があり、頭にも殴られたような形跡があった。
遺体は死後、長期間はたっていないとみられ、布団がかぶせてあった。
(被害者の父親は)水島容疑者が女児を監禁しているのを見つけてとがめたことから争いになり、水島容疑者に殺害された可能性が高い
容疑者の供述
「マンションで女児に声をかけ、さらった」と認めている。
逮捕された男が「子供を狙っていた」という趣旨の供述をしている
「小さい女の子に興味があった」と供述していることも判明
「マンション内で声をかけたあと、女の子を担いで連れ去った」などと具体的に説明している
調べに水島容疑者は監禁容疑を認めた上で、「僕が(男性を)殺しました」という趣旨の供述をしているという。
「女児を連れ込んだ時、父親は家にいた。自分で殺した」とも供述
「女の子を監禁しているのをばれると嫌だから、殺した」と供述をしているという。
(被害者の)水島さんの頭部には鈍器で殴られた痕が複数あり、死因は頭部打撲による出血性ショックだった。
現場から血痕の付いた木刀が押収されていた
この木刀で殴るなどして父親を殺害した
容疑者と家族の生活
水島容疑者は父親と2人暮らしだった
1年ほど前から、このマンションで父親と同居していたという水島容疑者。
それ以前は、同じ名古屋市内で、母親と暮らしていたという。
容疑者の評判
当時の大家は「ちゃんとあいさつする、誰にでもあいさつする、いい子だった。
就職試験受けても、ちっとも受からないと言っていたから、就職が決まらなくて、アルバイトをやっていたみたい」と話した。
水島容疑者が5月から6月まで勤務していた引っ越し会社によると、勤務態度は真面目で、物静かだったという。
被害者(父親)の評判
政和さんを知る人は、「囲碁の会で、1週間に1度、囲碁を打っていた。おとなしい方。囲碁は強かった。2〜3段。家族のことは知らない」と話した。