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児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律案

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自民、公明両党は9日、児童ポルノ画像の氾濫を食い止めるための児童買春・ポルノ禁止法改正案を今国会にも提出する方向で調整に入った。
児童ポルノの提供や販売目的の所持に限らず「単純所持」も禁止し、罰則を科すことが柱。他党にも賛同を呼びかける。


去年9月、名古屋市中川区で男が小学1年生の女児を連れ去り同居する父親を殺害したとして逮捕された事件で8日、名古屋地検は男を殺人などの罪で起訴した。この事件は去年9月、中川区で水島誠被告(24)が小学1年生の女の子を無理やり連れ去り監禁し、同居していた水島被告の父親・正和さん(当時66)を木刀で何回も殴るなどして殺害したとして逮捕・送検されたもの。名古屋地検は水島被告を殺人や監禁など4つの罪で起訴した。名古屋地検は水島被告の刑事責任能力の有無を見極めるための鑑定留置を行っていたが、「言動や調べにおける対応に不自然さはない」として起訴に踏み切ったという。



第一七三回
衆第五号
   児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律案
 児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(平成十一年法律第五十二号)の一部を次のように改正する。
 第三条中「留意しなければならない」を「留意し、児童に対する性的搾取及び性的虐待から児童を保護しその権利を擁護するとの本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用するようなことがあってはならない」に改める。
 第六条の次に次の一条を加える。

 (児童ポルノ所持等の禁止)
第六条の二 何人も、みだりに、児童ポルノを所持し、又は第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録を保管してはならない。
 第七条の見出し中「児童ポルノ」の下に「所持、」を加え、同条第六項中「第四項」を「第五項」に改め、同項を同条第七項とし、同条第五項を同条第六項とし、同条第四項を同条第五項とし、同条第三項中「第一項」を「第二項」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項を同条第三項とし、同条第一項を同条第二項とし、同条に第一項として次の一項を加える。

  自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを所持した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。自己の性的好奇心を満たす目的で、第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録を保管した者も、同様とする。
 第九条中「から前条まで」を「、第六条、第七条第二項から第七項まで及び前条」に改める。
 第十条中「第五項」を「第六項」に改める。
 第十一条中「から第七条」を「、第六条又は第七条第二項から第七項」に改める。
 第十二条第一項及び第十三条中「第八条まで」を「第六条まで、第七条及び第八条」に改める。
 第十四条中「児童ポルノの」の下に「所持、」を加え、同条の次に次の一条を加える。

 (インターネットの利用に係る事業者の努力)
第十四条の二 インターネットを利用した不特定の者に対する情報の発信又はその情報の閲覧等のために必要な電気通信役務(電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第二条第三号に規定する電気通信役務をいう。)を提供する事業者は、児童ポルノの所持、提供等の行為による被害がインターネットを通じて容易に拡大し、これによりいったん国内外に児童ポルノが拡散した場合においてはその廃棄、削除等による児童の権利回復は著しく困難になることにかんがみ、捜査機関への協力、当該事業者が有する管理権限に基づき児童ポルノに係る情報の送信を防止する措置その他インターネットを利用したこれらの行為の防止に資するための措置を講ずるよう努めるものとする。

 第十五条第一項中「関係行政機関」を「厚生労働省、法務省、都道府県、都道府県警察、児童相談所、福祉事務所、市町村その他の関係行政機関」に改め、同条第二項中「関係行政機関は、前項」を「前項の関係行政機関は、同項」に改める。

 第十七条中「罪」を「規定」に改める。
   附 則
 (施行期日等)
第一条 この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。
2 この法律による改正後の第七条第一項の規定は、この法律の施行の日から一年間は、適用しない。
 (検討)
第二条 政府は、漫画、アニメーション、コンピュータを利用して作成された映像、外見上児童の姿態であると認められる児童以外の者の姿態を描写した写真等であって児童ポルノに類するもの(次項において「児童ポルノに類する漫画等」という。)と児童の権利を侵害する行為との関連性に関する調査研究を推進するとともに、インターネットを利用した児童ポルノに係る情報の閲覧等を制限するための措置(次項において「インターネットによる閲覧の制限」という。)に関する技術の開発の促進について十分な配慮をするものとする。
2 児童ポルノに類する漫画等の規制及びインターネットによる閲覧の制限については、この法律の施行後三年を目途として、前項に規定する調査研究及び技術の開発の状況等を勘案しつつ検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする。

 (風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部改正)
第三条 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和二十三年法律第百二十二号)の一部を次のように改正する。
  第四条第一項第二号ホ中「第八条まで」を「第六条まで、第七条又は第八条」に改める。
  第三十五条及び第三十五条の二中「第七条」を「第七条第二項から第七項まで」に改める。
 (刑事訴訟法の一部改正)
第四条 刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の一部を次のように改正する。
  第百五十七条の四第一項第二号及び第二百九十条の二第一項第二号中「第八条まで」を「第六条まで、第七条若しくは第八条」に改める。
 (組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部改正)
第五条 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号)の一部を次のように改正する。
  別表第五十九号中「第七条(児童ポルノ頒布等)」を「第七条第五項(児童ポルノ等の不特定又は多数の者に対する提供等)、第六項(児童ポルノ等の不特定又は多数の者に対する提供等の目的による製造等)若しくは第七項(児童ポルノの不特定又は多数の者に対する提供等の目的による外国への輸入等)」に改める。
 (児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律の一部改正)
第六条 児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律(平成十六年法律第百六号)の一部を次のように改正する。
  附則第一条ただし書、第三条及び第四条を削る。

     理 由
 児童ポルノに係る行為の実情、児童の権利の擁護に関する国際的動向等にかんがみ、児童ポルノをみだりに所持すること等を一般的に禁止するとともに、自己の性的好奇心を満たす目的での児童ポルノの所持等を処罰する罰則を設け、あわせて、インターネットの利用に係る事業者について児童ポルノの所持、提供等の行為の防止措置に関する規定を整備する等の必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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