まず入店時に1万円を支払い、硬貨型のチップを購入する。
女性店員はいずれも、このチップを入れられる透明のハイヒールを履いている。
客がチップを入れる際、女性店員はチップを入れやすいように、足をテーブルに高く上げる。
その瞬間、客の目に下着が「チラッ」と映る仕組み。
チラっしゃいませ…JKパンチラ商法に群がる客
女子高生の下着がのぞき見られる「パンチラ」を売りにしたガールズバーが10月、警視庁保安課に摘発された。
店に入るなり女子高生らが「チラっしゃいませ!」と出迎える“パンチラバー”は、数々の違法メニューをそろえて人気を集めていた。
JR町田駅すぐ近くの東京都町田市原町田の雑居ビル2階の一室に、その店「ガールズバー ベビードール」はあった。
1階はアダルトビデオなどの鑑賞をしながら、不特定の女性と話せるテレホンクラブ。
店に入る前から立ち上るみだらな雰囲気に、客らは吸い寄せられていったようだ。
「チラっしゃいませ!」。
10月27日夜、薄暗い店内で、ミニスカートをはいた女性店員らがスカートを両手で大胆にまくり上げ、下着を見せつけて出迎えた。
男性客4人を相手に嬌声を響かせながら、スカートの中の下着をチラチラのぞかせる。
この日はハロウィーンイベントの真っ最中。
女性店員はセーラー服や水着、体操服などさまざまな衣装に身を包み、
盛り上がりが最高潮に達する午後8時すぎ、警視庁保安課などの捜査員らが店内に入った。
同課は、無許可で女性に接待をさせていた風営法違反(無許可営業)容疑で、
同店店長、森拓道容疑者(33)を現行犯逮捕。店内にいた女性店員6人のうち5人が現役女子高生と判明した。
「パンツを見させたのは間違いない」。森容疑者は、同課の調べにそう供述しているという。
同店は今年6月に開店したばかりだったが、評判は瞬く間に広がり、毎日5~10万円を売り上げる人気店に。
10月までに850万円を売り上げていた。
原動力となったのが、パンチラを始めとする過激なサービス。
基本料金は1時間飲み放題で4000円だが、
この店の特徴は、まず入店時に1万円を支払い、硬貨型のチップを購入することだ。
女性店員はいずれも、このチップを入れられる透明のハイヒールを履いている。
客がチップを入れる際、女性店員はチップを入れやすいように、足をテーブルに高く上げる。
その瞬間、客の目に下着が「チラッ」と映る仕組みだ。
オプションメニューはさらに過激になる。
一番人気は、チップ4000円分の生着替えで、店内の壁にズラリと並べられた衣装に女性店員がその場で着替えるメニュー。
ほかに手袋をはめた指をなめてもらう2千円の「指なめ」、
女性店員が両太もものの間に挟んだ試験管から酒を飲む2000円の「おまたドリンク」や、
女性店員に耳をなめさせる4000円のメニューも。
女性店員が履いていた下着を頭に被る3000円のメニューには「少女時代ゲーム」という謎の名称が付けられていた。
同店は、開店からわずか4カ月で摘発された。
保安課がスピード捜査に踏み切ったのは、過激接待のほかに、18歳未満の少女を大量に雇っていた点も問題視したからだ。
「町田初の?ちょっと◯◯◯なガールズバー」「17時~21時半まではかわいい現役の女子高生、
21時半~翌朝5時までは18才以上のかわいい女の子が皆様をお出迎えいたします!」
店のホームページでは、女子高生が店員であることを堂々と売りにしており、
店員として在籍する女子高生らのプロフィルも写真や自己紹介付きでズラリと並べていた。
「お客さまからドリンクいただかないと帰りの交通費がありません(笑)」「私と一緒に楽しい時間をすごしましょうっっ!」。
自己紹介の文言からも、女子高生らが接待や酒の提供をしていたことが容易に推察される。
10月の摘発時に店内にいた女性店員は、22歳だった1人以外は、5人全員が16~18歳の女子高生。
当日、店内にいなかった店員も含めると、在籍20人のうち12人が15~18歳の女子高生だった。
時給は1500円。生着替えなどのオプション料金の半分は店員の取り分となるため、
「時給が高い」「小遣いが稼げる」と評判で、4カ月で約30人の女子高生が面接に来たという。
労働基準法では、
18歳未満の少年・少女をこうしたみだらな接待を伴う仕事に雇うことを禁じており、
「未成年者雇用に違反することは明らか」と警視庁幹部は断言する。
こうした営業を問題視した地元の町田署は、開店当日の6月20日当日に、
店の関係者をすでに呼び出し、届け出や許可の申請を要請。
店は7月16日、ようやく深夜飲食店としての届け出は出したものの、「パンチラ接待」を続けた。
同署などは接待を伴う社交飲食店としての許可が必要だと注意したが、店側は無視し続けたという。
「ホームページで堂々と顔まで出して現役女子高生を売りにする風俗店が許されていいはずがない」と警視庁幹部。
同課は、未成年者雇用についても追及を続ける方針だ。
(2014年11月29日 産経新聞)