ドラム缶殺人、二審も死刑=無罪主張退ける―大阪高裁
大阪府阪南市の駐車場で2009年、ドラム缶に入った元会社社長夫婦の遺体が見つかった事件で、
強盗殺人罪などに問われた鈴木勝明被告(47)の控訴審判決が19日、大阪高裁であった。
笹野明義裁判長は、死刑とした一審大阪地裁堺支部の裁判員裁判判決を支持し、被告側の控訴を棄却した
被告は無罪を主張していた。
(時事通信 12月19日)
元社長夫婦殺害、2審も死刑判決 大阪ドラム缶遺体事件
大阪府阪南市で2009年、貸しガレージのドラム缶から元会社社長夫妻の遺体が見つかった事件で、
強盗殺人罪などに問われた無職鈴木勝明被告(47)の控訴審判決が19日、大阪高裁であった。
笹野明義裁判長は求刑通り死刑とした一審・大阪地裁堺支部の裁判員裁判の判決を支持。被告側の控訴を棄却した。
鈴木被告は04年12月、
建築作業員として出入りしたことがある大阪府和泉市の浅井建治さん(当時74)の自宅敷地内で、
浅井さんと妻きよさん(同73)を棒状の鈍器で殴って殺害。
腕時計や車を奪ったとして起訴された。浅井さん夫婦の遺体は09年11月に見つかったが、死体遺棄罪は3年の公訴時効が成立している。
(2014年12月19日朝日新聞DEGITAL)
鈴木勝明
2004年12月3日
大阪ドラム缶遺体事件
堺市の建設作業員、鈴木勝明被告は2004年12月3日ごろ、和泉市の元カーペット製造販売会社社長方で、元社長の男性(当時74)とその妻(当時73)の頭部を鈍器で殴って殺害し、高級腕時計ロレックス2個や乗用車1台など(計240万円相当)を奪った。
その後、妻名義の車のトランクに2人の遺体を乗せ、当時住んでいた家に帰った。4日、奪った腕時計を泉佐野市内の質店で現金50万円と換金。遺体を捨てる場所を捜したが見つからず、7日、阪南市の貸ガレージを借り、男性の携帯電話から「夫婦で金沢の温泉にいる。心配するな」というメールを親族に送った。その後、ホームセンターでドラム缶を購入。遺体をのこぎりでバラバラにしてドラム缶に詰め、厳重に密閉した。
鈴木被告は2003年9月に泉南市の建設会社へ入社。2004年1~2月の男性宅の工事では、自宅敷地内の会社事務所の新築工事で力仕事を担当していた。鈴木被告が集金した工事代金を社に払い込まないことや、会社事務所や社長宅から高級腕時計や多額の現金がなくなることが頻発。鈴木被告は社長に問い詰められて否定したものの、金銭トラブルを理由に2004年6月に解雇していた。事件当時、鈴木被告は消費者金融などに数百万円の借金があった。
他に鈴木被告は2003年11月10日ごろ、泉南市の駐車場で、社長の軽自動車内からロレックス(時価40万円相当)を盗んだ。同年11月22日、社長方の庭で妻が置忘れたロレックス(時価30万円相当)を盗んだ。2008年7月14日、堺市の勤務先の建築会社の寮で、同僚男性の部屋に侵入、ロレックス1個とネックレス1個(時価計25万円相当)を盗んだ。
失踪後まもなく家族が家出人捜索願を提出。大阪府警は自宅で血痕や毛髪を採取した。和泉署で保管していたが、遺体発見後に数点が紛失していたことが判明している。
2009年11月25日、新しい借り主が決まり、管理者がシャッターを開けて遺体が発見された。ガレージは約5年前に鈴木被告が借りて1カ月分の賃料を払った後、シャッターの鍵を返却せずに駐車場の管理人と連絡を絶って、誰も使っていなかった。鈴木被告が捜査線上に浮上し、27日、社長宅からロレックスや乗用車を盗んだ窃盗容疑で逮捕。鈴木被告は窃盗や夫妻の遺体遺棄を認めたが、殺害の関与を否認。連絡先を知らないヤミ金の知人の2人の男が殺害したと主張した。死体遺棄、損壊罪は3年の公訴時効が成立している。
12月17日、社長宅からの別の窃盗容疑で鈴木被告を再逮捕。同日、大阪地検堺支部は最初の逮捕容疑について処分保留とした。2010年1月8日、窃盗罪で起訴。9月27日、泉南市の駐車場からロレックスを盗んだ容疑で再逮捕、10月18日に追起訴された。物証がないことから捜査は難航したが、府警は状況証拠などから鈴木被告の単独犯行と断定、12月3日に強盗殺人容疑で鈴木被告を再逮捕した。12月24日、大阪地検堺支部は強盗殺人罪で鈴木被告を起訴した。2011年1月14日、寮での窃盗事件で鈴木被告を再逮捕した。
一 審
2013年6月26日 大阪地裁堺支部 畑山靖裁判長 死刑判決